藤原歌劇団 オペラ「ラ・ボエーム」 [オペラぁ!]
2007年1月27日 オーチャードホール オペラ「ラ・ボエーム」
ジャコモ・プッチーニ(Jiacomo Puccini)作曲のラ・ボエーム(La Boheme)は、
1896年にトリノ・リージオ劇場で初演された、
パリのカルチェ・ラタンが舞台の、名作中の名作オペラです。
↓初演時のポスター
原作は、
1830年に雑誌に連載されたアンリ・ミルジェの小説「ボヘミアンの生活情景」で、
パリの屋根裏部屋に住む4人の若い貧乏芸術家と、
恋人たちの甘くも切ない想いを描いた物語です。
当時も戯曲化されるなど評判だったようですが、
貧しくても希望と楽観の中に自由を求める若者の姿は
やがて訪れるエコール・ド・パリを予感するような内容です。
↓初演当時の舞台スケッチ
藤原歌劇団による今回のキャストは、
昨年9月の新宿文化センターでのトゥーランドットと同じペアで、
ミミ役がリ・ウンキョンさん(李・恩敬)、ルドルフォ役は笛田博昭さん。
リさんは声はもちろん素晴らしかったですが、
ふくよかな感じのイメージだったので、
病んだ、けなげなミミ役は、ちょっとどうかと思っていましたが、
思わず手を差し伸べたくなる程の演技で、
終幕には、観ていて頬の神経がしびれる程でした。
役作りにも相当苦心したのではないでしょうか。
笛田さんは、突き通すような中低音は相変わらず頼もしいものでしたが、
ちょっと調子が悪いのか、高音が、かなりつらそうでした。
トゥーランドットのカラフより難しい役なのでしょうか?
シャツにセーターという衣装もありましたが、
もうちょっと印象を残して欲しかった感じです。
舞台はアーティスティックな書割に加え、
カフェ・モミュスのシーンも、店の上を裏の街路にするなど、
立体的な構成でうまく演出されていました、アルチンドロの最後の掛け合い等も。
演出は、岩田達宗氏。この前見たプロダクションが、
フランコ・ゼッフィレッリの演出による大舞台だったので、
少し物足りなさも感じましたが、
子供達を交えたコーラスに続く、
雪降るカフェ・モミュスでの幕切れなども、見ごたえのあるものでした。
2007年1月27日 藤原歌劇団 オペラ「ラ・ボエーム」
指揮 : 園田隆一郎
演出 : 磐田達宗
会場 : オーチャードホール
キャスト
ミミ : リ・ウンキョン(李恩敬)
ロドルフォ : 笛田博昭
ムゼッタ : 佐藤美枝子
マルチェッロ : 谷友博
ショナール : 柴山昌宣
コッネーリ : 田島達也
ベノア : 山田祥雄
アルチンドロ : 柿沼伸美
パルピニョール : 田代誠
合唱 : 藤原歌劇団合唱部
管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団
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