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新国立劇場 オペラ「ラ・ボエーム」 [オペラぁ!]

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新国立劇場の粟国淳演出による「ラ・ボエーム」は、
2003年の初演以来、2008年の上演から4年ぶり。
2008年の公演レビューはこちら↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2008-01-25

年始のNHKのニューイヤーオペラコンサートでも、
舞台形式で大きく取り上げられた演目だったにも係わらず、
客席には空席が目立っていました。
オーソドックスな過不足ない演出に、
造り込まれたパスクアーレ・グロッシによる時代加工された舞台美術は、
新国立劇場の定番プロダクションとも言えるものですが、
常連客の足が引いてそろそろ賞味期限が近づいて来たからなのか、
新客掘り起こしのプロモーションが足りないからなのでしょうか。

第2幕のカフェ・モミュスのシーンでは、
歌手に合唱や子供コーラスに助演やバンダなども加わって、
人が舞台からあふれそうなぐらいになって湧き上がりますが、
いつかは客席より舞台上の人数が上回ってしまうのではないかと心配になるぐらいでした。

そんな中、舞台に新鮮味を与えるのは歌手陣ですが、
主人公のミミを歌ったヴェロニカ・カンジェミは、
アルゼンチン出身でチェロ奏者から転向したとの事ですが、
透明感のある艶やかな声で、繊細で控えめな女性の役柄にぴったり、
静まり返ったホールに響くピアニッシモは胸にグッと来ました。

マルチェッロ役のアリス・アルギリスも、
元気はあるけど金はない若い貧乏画家を熱演。
第4幕では屋根裏部屋にあるものを何でもかんでも使って、
歌ったり踊ったりのドンチャン騒ぎで他の3人を引っ張ります。
それでも実は瀕死のミミに与える飲み物もないという貧乏ぶりが悲しい所なのですが。

何度観ても楽しめる舞台なので、観客側ももっと盛り上がりたいですね。
次回上演の時には、観客のエキストラを連れて行きましょうか!?


2012年1月19日 新国立劇場 オペラ「ラ・ボエーム」
Giacomo Puccini : La Bohème

スタッフ
【指揮】コンスタンティン・トリンクス(Constantin Trinks)
【演出】粟國 淳(Aguni Jun)
【美術】パスクアーレ・グロッシ(Pasquale Grossi)
【衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ(Alessandro Ciammarughi)
【照明】笠原俊幸(Kasahara Toshiyuki)

キャスト
【ミミ】ヴェロニカ・カンジェミ(Veronica Cangemi)
【ロドルフォ】パク・ジミン(Ji-Min Park)
【マルチェッロ】アリス・アルギリス(Aris Argiris)
【ムゼッタ】アレクサンドラ・ルブチャンスキー(Alexandra Lubchansky)
【ショナール】萩原 潤(Hagiwara Jun)
【コッリーネ】妻屋秀和(Tsumaya Hidekazu)
【べノア】鹿野由之(Shikano Yoshiyuki)
【アルチンドロ】晴 雅彦(Hare Masahiko)
【パルピニョール】糸賀修平(Itoga Shuhei)

【合 唱】新国立劇場合唱団(New National Theatre Chorus)
【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団
【管弦楽】東京交響楽団(Tokyo Symphony Orchestra)

タグ:プッチーニ
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