藤原歌劇団 オペラ 「夢遊病の女」 [オペラぁ!]
オペラ「夢遊病の女」を観るのは今回で2度目でしたが、
この装置、なんと前回観たものとそっくりでした。
舞台の両側に主役アミーナの家と恋敵リーザが営む宿、
中央は広場で、その後ろでゆっくり水車が回り、
背景にはのどかな農村の風景が広がっています。
つづく第2幕の宿の室内も前観たのと同じ感じで、
第1幕では小さな小屋風外観だった宿が、
広々とした豪華な室内はテラスが付いた贅沢なヴィラ風!
その窓外を幽霊のように夢遊病者が通って行く感じも同じ。
かなりがっかりです。
以前観たのは昭和音楽大学のオペラ公演↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2008-10-13
そして今回、プロのオペラ公演にしては大学オペラより安普請な装置。
気を取り直して舞台に目を向けると、
これは意図的か、準ヒロインの女宿主リーザに視線を集めた演出?
幕開けの歌唱と紙片を引きちぎるシーンに始まり、
常に舞台の片隅で叶わぬ恋と不遇なわが身を哀れんで、
存在感を示した納富景子は主役より気になる存在でした。
そして幕切れも想いを寄せる男が結婚してしまう虚しさに空を仰ぎ、
最後は言い寄られていた村男のアレッスィオへ曖昧な視線を送って幕、
準主役に焦点を当てた演出だったようです。
その他、
伯爵役のデニス・ビシュニャはマンネリ化した農村に渋いバスの低音で刺激を与え、
アミーナの母テレーザ役の牧野真由美は、
母親らしい抱擁感のあるふくよかな歌声で、
実母のいないアミーナの母親役として安心感のある存在でした。
総じて女声陣が健闘した舞台と感じました。
2012年9月9日 藤原歌劇団 オペラ 「夢遊病の女」
作曲 : ベッリーニ
会場 : 新国立劇場オペラパレス
公演監督 : 岡山廣幸
指揮 : 園田 隆一郎
演出 : 岩田 達宗
美術 : 川口直次
衣装 : 半田悦子
照明 : 大島祐夫
出演
アミーナ : 光岡 暁恵
エルヴィーノ : 中井 亮一
ロドルフォ伯爵 : デニス・ビシュニャ
テレーザ : 牧野 真由美
リーザ : 納富 景子
アレッスィオ : 前田 進一郎
公証人 : 藤原 海考
合唱指揮 : 須藤桂司
合唱 : 藤原歌劇団合唱部
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