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プラハ国立歌劇場 オペラ「ノルマ」 [オペラぁ!]

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イタリアオペラの最高峰「ノルマ」。
10年程前にボローニャ在住の知人が、
「マリア・カラスの再来と言われるソプラノがノルマを歌うので、
ナポリのサンカルロ劇場までツアーを組んで観に行くんだ。」
と言っていた事があって、
それがディミトラ・テオドッシュウだったのですが、
是非、生で聴いてみたいと思っていました。

横須賀芸術劇場は馬蹄形のホールで、
平土間とその回りを3層のバルコニー席が取り囲む構成です。
スタッフに聞いたところ1500席あるそうですが、
席がゆったりしている割には緊密な空間、
オーケストラピットも浅めで奏者が楽譜をめくる音まで聞こえます。

オーケストラの人数は少な目な感じでしたが、
艶やかな弦楽の聴き応えある序曲で幕が開き、
舞台はノルマとポリオーネの破局を暗示する黙劇で始まります。
高僧率いる、こちらもちょっと少な目ののガリア群集の合唱の後、
巫女長ノルマを歌うディミトラ・デオドッシュウ、
第一声からその存在感と言うか、声が持つオーラと言うか、
体が軽くしびれてしまうような感じでした。

そして第1幕は全編の名曲揃い、
アダルジーザ役はヤナ・ホラーコヴァー・レヴィツォヴァー、
メゾソプラノですが高音もきれい、
ノルマとの2重唱の美しく響きました。

ノルマに子供を産ませ若いアダルジーザに乗り換えた、
浮気男ポリオーネはアレシュ・ブリスツェイン。
甘いテノールで敵軍だけでなく女も落とし続ける色男を公演。

ノルマの父、高僧オロヴェーゾはオレグ・コロトコフ。
重みのあるバスで群集を引き締め、
歌手陣はそれぞれ適役で見応えもあります。

演出は菅尾友、
日本人なので来日公演のための舞台かと思いましたが、
パンフレットに舞台写真が出ていたので、
以前にも他で公演があったようです。

演出は舞台上に、くの字型のグレーにくすんだ壁を何枚も配し、
物語の進行に合わせて移動させる事で舞台転回させていき、
あとは照明の効果でメリハリを付けます。
簡素な舞台の抽象演出ですが、
ムダなくイヤミもなく受け入れられました。

ただ、最後にノルマが火に飛び込むシーンでは、
舞台奥から客席に向かって強烈な赤い照明が向けられたので、
目がチカチカしてしまって、
折角の幕切れの余韻に十分浸れなかったのが残念でした。

横須賀芸術劇場は京急線の汐入駅からすぐのところにありましたが、
山のふもとが駅ですぐに海に出ます。
対岸には米軍の横須賀基地が広がり、
軍艦や空母、潜水艦が2隻も着岸していて、
あまりにも間近な非日常にびっくり、
びっくりついでで海軍カレーを買ってしまいました。


2016年10月22日 プラハ国立歌劇場 オペラ「ノルマ」
V.Bellini Norma
会場:横須賀芸術劇場

CAST
ノルマ:ディミトラ・テオドッシュウ(Dimitra Theodosiou)
ポリオーネ:アレシュ・ブリスツェイン(Ales Briscein)
アダルジーザ:ヤナ・ホラーコヴァー・レヴィツォヴァー(Jana Horakova Levicova)
オロヴェーゾ:オレグ・コロトコフ(Oleg Korotkov)
フラヴィオ:ヴァーツラフ・ツィカーネク(Vaclav Cikanek)
クロティルデ:シルヴァ・チムグロヴァー(Sylva Cmugrova)

STAFF
指揮:ペーター・ヴァレントヴィッチ(Peter Valentovic)
演出:菅尾友
管弦楽:プラハ国立歌劇場管弦楽団
合唱:プラハ国立歌劇場合唱団


タグ:ベッリーニ
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