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東京二期会 オペラ「トスカ」 [オペラぁ!]

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東京二期会の「トスカ公演」。
2015年ローマ歌劇場のプロダクションで、
演出はアレッサンドロ・タレヴィ。
ローマが舞台の物語をおひざ元のローマで製作、
その演出は1900年の初演時の舞台を忠実によみがえらせるというもの。

第1幕の聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会は、
内部装飾の書割を遠近法を使って立体的に表し鉄柵で前後を仕切っています。
幕切れの「テ・デウム」では、
舞台いっぱいに広がったコーラスが圧巻、
床面に人が密集する分、天井の高さが強調されます。

第2幕はファルネーゼ宮殿の悪徳警視総監スカルピアの執務室。
極彩色に彩られた豪華な室内が、こちらも緻密な書割で表現、
拷問に供される別室は5段ぐらいステップアップした扉の向こうで、
拷問時には叫び声と赤い光が漏れてきます。

第3幕のサンタンジェロ城の屋上は、原寸で再現したそうで、
背景にはローマの街並みが見えます。

全編を通して100年以上前の舞台と思えない程よく出来ていますが、
楽譜に書いてある演出の指示事項もあるらしく、
プッチーニが舞台をイメージしながら書いたその通りに作ると、
こうなるのかと納得する舞台でした。

トスカ役はソプラノの木下美穂子、
そろそろベテランの域でしょうか、
独唱「歌に生き、恋に生き」もしっとりと歌い上げ喝采を浴びていました。

相手役カラヴァドッシはテノールの樋口達哉。
出だしはちょっと声が出ませんでしたが、
中盤からはたっぷりの声量でホールを沸かせました。

良かったのはスカルピア役のバリトンの今井俊輔 。
堂々とした立ち振る舞いに含みのある渋い歌声、
物語の悲劇を十分に盛り上げました。

東京交響楽団を指揮したのはダニエレ・ルスティオーニ。
演出を合わせたイタリアコンビのイタリアオペラで、
リラックスした様子でした。


2017年2月15日 東京二期会 オペラ「トスカ」
Tosca Libretto by Luigi Illica and Giuseppe Giacosa
Music by GIACOMO PUCCINI

スタッフ
指揮:   ダニエーレ・ルスティオーニ (Daniele RUSTIONI)
演出:   アレッサンドロ・タレヴィ  (Alessandro TALEVI)
舞台美術:   アドルフ・ホーエンシュタイン (Adolf HOHENSTEIN)
照明:   ヴィニチオ・ケリ (Vinicio CHELI)
合唱指揮:  佐藤宏
演出助手:   菊池裕美子
舞台監督:   村田健輔
公演監督:   大野徹也

キャスト
トスカ : 木下美穂子
カヴァラドッシ : 樋口達哉
スカルピア : 今井俊輔
アンジェロッティ : 長谷川 寛
堂守 : 米谷毅彦
スポレッタ : 坂本貴輝
シャルローネ: 増原英也
看守 : 清水宏樹

合唱: 二期会合唱団
児童合唱: NHK東京児童合唱団
管弦楽: 東京都交響楽団

タグ:プッチーニ
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