第61回NHKニューイヤーオペラコンサート

今年のニューイヤーオペラコンサートはちょっと面白い趣向でした。
モーツァルトのオペラ７作品を楽曲を取り混ぜて、
一つのオペラのように仕立ています。
オペラのつまみ食いですが、
登場人物も交錯するので妙な新鮮感があります。

魔笛のパパゲーナとドンジョヴァンニのツェルリーナを歌ったソプラノの嘉目真木子は、
歌のお姉さん的衣装と容姿で、
パパゲーノとドンジョヴァンニ役の黒田博を魅了、
視覚的に問題ありのオペラ界でダントツの存在感でした。

フィガロの結婚の伯爵夫人を歌った砂川涼子も、
大人らしいしっとりした歌唱は聴き応え十分です。

男声ではコシ・ファン・トゥッテを歌った櫻田亮。
オペラ公演にはあまり出ていないようですが、
なかなか澄んだテノールを聴かせます。
去年のニューイヤーオペラコンサートにも出ていたようです。

舞台装置は様式ばった建物の外壁と扉、壁間の路地で構成され、
張りボテ感は拭えませんが、
照明の効果で何とか演出出来たというところでしょうか。
費用を掛ければ批判もされるでしょうし・・・。

第61回ＮＨＫニューイヤーオペラコンサート
テーマ「幻想と現実の間」
2018年1月3日　会場 : NHKホール

指揮：沼尻竜典
ピアノ：山田武彦
司会：高橋美鈴 井上芳雄
合唱：新国立劇場合唱団二期会合唱団びわ湖ホール声楽アンサンブル藤原歌劇団合唱部
管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団

曲目

＜オープニング＞
ワーグナー歌劇「タンホイザー」から 大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」合唱

＜第1部　モーツァルト７大オペラの音楽による「モーツァルト・ファンタジー」＞
歌劇「魔笛」から「私は鳥刺し」黒田博
歌劇「フィガロの結婚」から「愛の神よ、照覧あれ」砂川涼子
歌劇「フィガロの結婚」から「自分で自分が分からない」林美智子
歌劇「後宮からの誘拐」から「お前とここで会わねばならぬ」櫻田亮
歌劇「皇帝ティートの慈悲」から「ああ、最初の愛に免じて」嘉目真木子/林美智子
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から 酒の歌「みんなで楽しくお酒を飲んで」黒田博
歌劇「フィガロの結婚」から「若い娘たちよ、花をまけ」合唱
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から「お手をどうぞ」嘉目真木子/黒田博
歌劇「イドメネオ」から 嵐の合唱「なんという恐ろしさ」合唱
歌劇「魔笛」から「恋を知るほどの殿方には」砂川涼子／黒田博
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」から「恋のいぶきは」櫻田亮
歌劇「魔笛」から「やがて朝を告げる太陽が」砂川涼子/3人の天使：盛田麻央、守谷由香、小泉詠子
歌劇「魔笛」から「パ・パ・パ」嘉目真木子/黒田博
歌劇「イドメネオ」から 婚礼の合唱「愛の神よ、婚姻の神よ」合唱

＜第2部　ロッシーニ没後１５０年＞
「猫の二重唱」小林沙羅/市原愛/山田武彦
「フィレンツェの花売り娘」幸田浩子/山田武彦（ピアノ）
「踊り」村上敏明/山田武彦（ピアノ）
歌劇「タンクレーディ」から「君がこの心を燃え立たせ」藤木大地

＜第3部＞
ヴェルディ歌劇「椿姫」から 乾杯の歌「友よ、さあ飲みあかそう」幸田浩子/藤田卓也/ 合唱
ヴェルディ歌劇「椿姫」から「さようなら、過ぎ去った日よ」中村恵理
ヴェルディ歌劇「ドン・カルロ」から「ヴェールの歌」清水華澄/市原愛/ 女声合唱
ヴェルディ歌劇「トロヴァトーレ」から 「ああ、あなたこそわたしの恋人」「見よ、恐ろしい火よ」笛田博昭/ 男声合唱
プッチーニ歌劇「ボエーム」から「もう帰らないミミ」村上敏明/上江隼人
プッチーニ歌劇「トスカ」から「歌に生き、愛に生き」大村博美
ワーグナー楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から「朝はばら色に輝き」「親方たちをさげすんではならぬ」福井敬/妻屋秀和/小林沙羅/ 合唱

＜エンディング＞
喜歌劇「こうもり」から「ぶどう酒の燃える流れに」（ヨハン・シュトラウス作曲）合唱