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新国立劇場 オペラ「ファルスタッフ」 [オペラぁ!]

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新国立劇場の「ファルスタッフ」は、
ジョナサン・ミラーの演出で2004年の初演以来、2度目の再演。
前回2015年の公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2015-12-04

今回の目玉は、
2005年のザルツブルグ音楽祭で椿姫を指揮し注目を集めたカルロ・リッツィと、
脇役でこっそり出ている世界的ソプラノ、エヴァ・メイ。
指揮者と要歌手を本場イタリア陣が占めています。

コーラスが少なく数人のアンサンブルが中心のオペラですが、
カルロ・リッツィの緻密な指揮で小気味よく進行していきます。
ファルスタッフ役のバリトン、ロベルト・デ・カンディアは、
でっぷりした体躯をのらりくらりと揺すりながら、
まわりの人たちと絶妙に掛け合います。
道化のように笑いを誘いますが、指揮者に言わせると、
「彼は笑っていません。そこがこのオペラの喜劇としての最大の特色です。
おかしさはオーケストレーションの描写の中に潜んでいるのです。
オーケストラはけっして歌の伴奏ではなく、
すべての音がドラマを形成しているのです。」
との事です、納得。

そして主要な女声は4人いますが、
アリーチェ役のエヴァ・メイが断トツの存在感でした。
その存在自体にオーラを感じますし、
品のある立ち振る舞いで笑顔に優雅さを漂わせています。
声はキリっとしているにもかかわらず浮遊感も感じます。
十分に若さも感じますが、
夫役のマティア・オリヴィエーリが若すぎてちょっと組合せに違和感が・・・。

日本勢も妻屋秀和や幸田浩子など実力派登用で、
日伊対決ならぬ日伊同盟、見応えのある舞台になっていました。



2018年12月6日 新国立劇場 オペラ「ファルスタッフ」
 
スタッフ
【指揮】カルロ・リッツィ(Carlo RIZZI)
【演出】ジョナサン・ミラー(Jonathan MILLERlink )
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター(Isabella BYWATER)
【照明】ペーター・ペッチニック(Peter PETSCHNIG)
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】髙橋尚史
 
キャスト
【ファルスタッフ】ロベルト・デ・カンディア(Roberto DE CANDIA)
【フォード】マッティア・オリヴィエーリ(Mattia OLIVIERI)
【フェントン】村上公太
【医師カイウス】青地英幸
【バルドルフォ】糸賀修平
【ピストーラ】妻屋秀和
【フォード夫人アリーチェ】エヴァ・メイ(Eva MEI)
【ナンネッタ】幸田浩子
【クイックリー夫人】エンケレイダ・シュコーザ(Enkelejda SHKOZA)
【ページ夫人メグ】鳥木弥生
 
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

タグ:ヴェルディ
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