新国立劇場 オペラ「紫苑物語」 [オペラぁ!]
オペラ「紫苑物語」は世界初演。
新国立劇場の芸術監督の大野和士が、
日本初、世界にオペラの革命をもたらすというほどの力の入れようで、
石川淳の原作に佐々木幹郎の台本、
西村朗が作曲、笈田ヨシの演出で自ら指揮しました。
本人の言葉によるとこのオペラは、
新国立劇場の芸術監督の大野和士が、
日本初、世界にオペラの革命をもたらすというほどの力の入れようで、
石川淳の原作に佐々木幹郎の台本、
西村朗が作曲、笈田ヨシの演出で自ら指揮しました。
本人の言葉によるとこのオペラは、
「自分とは何か、あるいは妄執に囚われることによって自分を失う、
というような、人間の運命というものに対峙する自分探しの物語」だそうです。
あらすじは、
第1幕、平安時代、国司の宗頼は歌の道を捨て弓術に邁進する、
宗頼は父に妻として身持ちの悪いうつろ姫をあてがわれたことに怒る。
宗頼は、「知の矢」「殺の矢」の弓術を習得し、
人を殺すたびに、紫苑(忘れな草)を植えさせる。
伯父で弓の達人弓麻呂は、
歌の血が濃い間は弓の奥義を悟ることはできないと宗頼に告げ、
うつろ姫の寝所の男を射殺す。宗頼も次の男を射殺すが、うつろ姫は意に介さない。
宗頼の家来、藤内はこの様子にうつろ姫を利用して国を支配する野望を燃やす。
狩りに出た宗頼は怪しい魅力を持つ千草と出逢う。
第2幕、千草の虜となる宗頼。
月の光に照らされ、千草が宗頼が射た狐の化身であることがわかる。
狐の妖術に触れた宗頼は「魔の矢」を悟り、伯父の弓麻呂を射殺す。
藤内はうつろ姫と通じ、国司の座を狙う。
一方、忘れ草を求めて、宗頼は弓に化けた千草とともに山へと向かう。
山の中では岩山に仏の顔を彫る平太が一人で暮らしている。
宗頼が平太の彫った仏の顔に知の矢、殺の矢、
そして魔の矢を放ち、宗頼諸共岩山が崩れ落ちる。
ちょっと難解ですが、
文語調仮名づかいの台詞に日本語と英語の字幕が付いているので、
見比べていると何となく様子が頭に入って来る感じです。
第一幕は金色に揺らぐ背景に仮設的階段の上下に多勢のコーラス、
そんな中、うつろ姫の絶叫に近い狂乱、
音楽もかなり不協和音的で邪気を振りまき、
衣装も金ぴかの和風ですがちょっとサイケで狂気じみたところがあります。
第2幕は合唱は少なく独唱や重唱で物語は進行します。
千草の夜の女王のようなコロラトゥーラがあったり、
宗頼と千草が絡み合うシーンでは喘ぎ声も歌となり、
その後の宗頼・千草・籐内・うつろ姫の4重唱は圧巻です。
あらすじは、
第1幕、平安時代、国司の宗頼は歌の道を捨て弓術に邁進する、
宗頼は父に妻として身持ちの悪いうつろ姫をあてがわれたことに怒る。
宗頼は、「知の矢」「殺の矢」の弓術を習得し、
人を殺すたびに、紫苑(忘れな草)を植えさせる。
伯父で弓の達人弓麻呂は、
歌の血が濃い間は弓の奥義を悟ることはできないと宗頼に告げ、
うつろ姫の寝所の男を射殺す。宗頼も次の男を射殺すが、うつろ姫は意に介さない。
宗頼の家来、藤内はこの様子にうつろ姫を利用して国を支配する野望を燃やす。
狩りに出た宗頼は怪しい魅力を持つ千草と出逢う。
第2幕、千草の虜となる宗頼。
月の光に照らされ、千草が宗頼が射た狐の化身であることがわかる。
狐の妖術に触れた宗頼は「魔の矢」を悟り、伯父の弓麻呂を射殺す。
藤内はうつろ姫と通じ、国司の座を狙う。
一方、忘れ草を求めて、宗頼は弓に化けた千草とともに山へと向かう。
山の中では岩山に仏の顔を彫る平太が一人で暮らしている。
宗頼が平太の彫った仏の顔に知の矢、殺の矢、
そして魔の矢を放ち、宗頼諸共岩山が崩れ落ちる。
ちょっと難解ですが、
文語調仮名づかいの台詞に日本語と英語の字幕が付いているので、
見比べていると何となく様子が頭に入って来る感じです。
第一幕は金色に揺らぐ背景に仮設的階段の上下に多勢のコーラス、
そんな中、うつろ姫の絶叫に近い狂乱、
音楽もかなり不協和音的で邪気を振りまき、
衣装も金ぴかの和風ですがちょっとサイケで狂気じみたところがあります。
第2幕は合唱は少なく独唱や重唱で物語は進行します。
千草の夜の女王のようなコロラトゥーラがあったり、
宗頼と千草が絡み合うシーンでは喘ぎ声も歌となり、
その後の宗頼・千草・籐内・うつろ姫の4重唱は圧巻です。
途中装置が反転し背景が全て鏡になるシーンがあり、
客席から見ると正面に指揮者、その回りにオーケストラ、
一番手前にはプロンプターが指先で細かく指示しているのが見えました。
そういえば、
幕明けには本来上に隠れているはずの照明バトンが下りていました。
このオペラでは弓(殺人)と歌(創造)の表裏を描いていますが、
あえて舞台でも視覚的に表裏を見せていたのかもしれません。
客席から見ると正面に指揮者、その回りにオーケストラ、
一番手前にはプロンプターが指先で細かく指示しているのが見えました。
そういえば、
幕明けには本来上に隠れているはずの照明バトンが下りていました。
このオペラでは弓(殺人)と歌(創造)の表裏を描いていますが、
あえて舞台でも視覚的に表裏を見せていたのかもしれません。
台本・作曲・演出・指揮者の4人で練った作品、
もう一度観てみたいと思う舞台でした。
2019年2月20日 新国立劇場 オペラ「紫苑物語」
原作:石川淳
作曲:西村朗
台本:佐々木幹郎
スタッフ
指揮:大野和士
演出:笈田ヨシ
美術:トム・シェンク(Tom SCHENK)
衣裳:リチャード・ハドソン(Richard HUDSON)
照明:ルッツ・デッペ(Lutz DEPPE)
振付:前田清実
監修:長木誠司
舞台監督:髙橋尚史
キャスト
宗頼:髙田智宏
平太:松平敬
うつろ姫:清水華澄
千草:臼木あい
藤内:村上敏明
弓麻呂:河野克典
父:小山陽二郎
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
芸術監督:大野和士
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