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東京二期会 オペラ「金閣寺」 [オペラぁ!]

金閣寺.jpg
東京二期会のオペラ「金閣寺」は、
フランス国立ラン歌劇場との共同制作で2018年ストラスブールで初演。

演出は宮本亜門、幾何学的な簡素で深い質感のある舞台美術が素晴らしい。
屏風を連想させる金色の背景と彫刻を施されたような壁が3面、
舞台背面からの鋭い照明とシンプルで色鮮やかに際立つ衣装の効果で、
中央の広い舞台も引き締まって見えます。

大きな舞台転回はなく、
壁がいくつもの大きな引き出しになっていて、
シーンに合わせて小部屋や階段、格子壁などがスライドしてきます。

金閣寺に火を点ける主人公溝口はバリトンの宮本益光、
深みのある声で厭世感ただよう青年を演じますが、
この演出ではヤング溝口という少年ダンサーが終始影のように付きまといます。
右手が不自由な主人公の想いを体で表現しようという主旨のようです。

そして今回改めて黛敏郎の音楽の素晴らしさにも気づきました。
全編、ドイツの近代前衛的音楽ですが、
打楽器や木琴などを駆使し和のイメージを膨らませています。
緊迫感のある盛り上がりとも緊張感のある間の取り方も絶妙です。

金閣寺公演は2015年にも田尾下哲の演出を観ましたが、
美術・照明・衣装のレベルは本公演の方が格段に上と感じました。

2015年神奈川県民ホールでの公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06


2019年2月22日 東京二期会 オペラ「金閣寺」
DER TEMPELBRAND
Libretto by Claus H. Henneberg, based on Yukio Mishima’s
novel “THE TEMPLE OF THE GOLDEN PAVILION”
Music by TOSHIRÔ MAYUZUMI 

スタッフ
指揮:マキシム・パスカル(Maxime PASCAL)
演出:宮本亜門
装置:ボリス・クドルチカ(Boris KUDLIČKA)
衣裳:カスパー・グラーナー(Kaspar GLARNER)
照明:フェリーチェ・ロス(Felice ROSS)
映像:バルテック・マシス(Bartek MACIAS)
 
合唱指揮:大島義彰
舞台監督:村田健輔
公演監督:大島幾雄
会場:東京文化会館
 
キャスト
溝口 :宮本益光
鶴川 :高田智士
柏木 :樋口達哉
父 :星野淳
母 :腰越満美
道詮和尚 :志村文彦
有為子 :冨平安希子
若い男 :高田正人
女 :嘉目真木子
娼婦 :郷家暁子
ヤング溝口(ダンサー) :前田晴翔
 
合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 東京交響楽団

タグ:三島由紀夫
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