新国立劇場 オペラ「ドン・ジョヴァンニ」

グリシャ・アサガロフ演出「ドン・ジョヴァンニ」の再演。
指揮者がフランチェスコ・ランツィロッタから、
ドイツ出身のカーステン・ヤヌシュケに変更になりましたが、
歯切れ良く緩急のある演奏でした。

演目事態は何度観ても楽しめる作品で、
登場人物７人の誰に感情移入するかによって見方も変わってくるし、
観る人の置かれた状況によって、
誰に感情移入するかも変わってきます。
また、演出や歌う歌手によってもその存在感が変わってきます。

今回目を引いたのは、
一番地味な役どころドンナ・アンナのフィアンセ、
ドン・オッタ―ヴィオ役のフアン・フランシスコ・ガテル。
アルゼンチン生まれのテノールですが、
しっとりと落ち着いた歌声で、
ささやくようなピアニッシモが静寂を響き渡ります。

ドン・ジョヴァンニ役はバスのニコラ・ウリヴィエーリ。
貫禄のある立ち振る舞いと抱擁感のある声で、
まさに女を狂わせます。

ドンナ・エルヴィーラ役や日本人でイタリアで活動している脇園彩。
若そうですが、成熟感のある中低音を聴かせます。
ぶっきらぼうな所作がちょっと気になりましたが・・・。

カーテンコールでは観客の反応が思った以上で盛り上がっていました。


前回2014年の公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17

2019年5月17日　新国立劇場　オペラ「ドン・ジョヴァンニ」

スタッフ

【指揮】カーステン・ヤヌシュケ(Karsten JANUSCHKE)

【演出】グリシャ・アサガロフ(Grischa ASAGAROFF)

【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ(Luigi PEREGO)

【照明】マーティン・ゲプハルト(Martin GEBHARDT)

【再演演出】三浦安浩【舞台監督】斉藤美穂

 

キャスト

【ドン・ジョヴァンニ】ニコラ・ウリヴィエーリ(Nicola ULIVIERI)

【騎士長】妻屋秀和

【レポレッロ】ジョヴァンニ・フルラネット(Giovanni FURLANETTO)

【ドンナ・アンナ】マリゴーナ・ケルケジ(Marigona QERKEZI)

【ドン・オッターヴィオ】フアン・フランシスコ・ガテル(Juan Francisco GATELL)

【ドンナ・エルヴィーラ】脇園彩

【マゼット】久保和範

【ツェルリーナ】九嶋香奈枝

 

【合唱指揮】三澤洋史

【合唱】新国立劇場合唱団

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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