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東京二期会 オペラ「サロメ」 [オペラぁ!]

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東京二期会の「サロメ」
2011年にはペーター・コンヴィチュニーの演出で上演していますが、
今回は、
ウィリー・デッカーの演出で1995年のハンブルグ州立歌劇場のプロダクション。
24年前の舞台を本人が自ら手を入れて修正したとの事ですが、
全く古さを感じさせないウィリー・デッカーらしい耽美的な舞台でした。

100分間に渡る1幕物のオペラですが、
舞台は空間をめいっぱいに使った階段と内側に倒れる3面の壁のみ、
階段の裂け目が預言者ヨカナーンが幽閉されている古井戸です。
舞台も衣装も全てグレーというモノクロームの世界で、
照明だけが向きを変えたり色を変えたりして変化を付けていきます。

大空間で小道具もほとんどありませんが、全く間延びする事がなく、
人と人との距離が絶妙な緊張感を生み、
その緊張感を聴衆にまで負わせるような感覚です。

指揮は今年から読売日本交響楽団の常任指揮者となったセバスティアン・ヴァイグレ。
さすがにオーケストラも力が入っているようで、
歌手陣との相乗効果でだんだん熱が上がってくるような感じでした。

サロメを歌ったのはソプラノの森谷真理。
あの階段を上り下りしながら歌うには若くてスレンダーな体形が必要、
その上で緩急のある歌をこなすは至難と思いますが、
低音もよく響き、聴かせるところはじっくりと聴かせました。

ヨカナーン役の大沼徹はキリストの伝道者ヨハネの世離れした感じを上手く表現、
サロメがなびくのも納得出来る立ち振る舞い、そして声でした。

ヘロデ役の今尾滋は王女に煙たがられ、王妃の顔色をうかがう節操のない王、
サイコな役どころをサイケな歌声で好演しました。


2011年のペーター・コンビチュニー演出の「サロメ」公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2011-02-23

2016年新国立劇場の「サロメ」公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2016-03-10



2019年6月5日 東京二期会 オペラ「サロメ」
会場:東京文化会館
 
スタッフ
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ(Sebastian WEIGLE)
演出:ヴィリー・デッカー(Willy DECKER)
演出補:シュテファン・ハインリッヒス(Stefan HEINRICHS)
舞台美術:ヴォルフガング・グスマン(Wolfgang GUSSMANN)
照明:ハンス・トェルステデ(Hans TOELSTEDE)
演出助手:家田淳
舞台監督:幸泉浩司
公演監督:佐々木典子
公演監督補:牧川修一
 
キャスト
ヘロデ : 今尾滋
ヘロディアス : 池田香織
サロメ : 森谷真理
ヨカナーン : 大沼徹
ナラボート : 大槻孝志
ヘロディアスの小姓 : 杉山由紀
ユダヤ人1 : 大野光彦
ユダヤ人2 : 新海康仁
ユダヤ人3 : 高柳圭
ダヤ人4 : 加茂下稔
ユダヤ人5 : 松井永太郎
ナザレ人1 : 勝村大城
ナザレ人2/奴隷 : 市川浩平
兵士1 : 大川博
兵士2 : 湯澤直幹
カッパドキア人 : 岩田健志
 
管弦楽: 読売日本交響楽団

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