日生オペラ2019「愛の妙薬」 [オペラぁ!]
日生劇場での藤原歌劇団「愛の妙薬」公演、
2016年に新百合ヶ丘で上演されたプロダクションで、
演出は粟國淳。
1832年初演のオペラですが、
台本に忠実な演出で、装置もいかにも!という感じです。
物語は、
軍隊への入隊書面に自分の名前も書けない農夫が、
媚薬をめぐる物語「トリスタンとイゾルデ」を読んで、
夢想する裕福で知的な美貌の村娘に、
叶わぬ恋心をいだくものの、
最後は結ばれるというベタで分かりやすいお話です。
農夫のネモリーノ役はテノールの中井亮一、
突き抜けるような声が良く通ります。
ホールの特性もあるのでしょうか?
日生劇場はうねるようなアコヤ貝の天井はよく反響し、
客席の床はカーペットで音を吸収します。
その関係で残響が少なくクリアに聴こえるのでないかと思います。
村娘のアディーナ役はソプラノの伊藤晴。
高音がよくコントロール出来ていてメリハリもあります。
高慢そうに澄ましていても愛嬌があって憎めません。
悪徳商人ドゥルカマーラ役はベテランのバリトン久保田真澄。
とんでもない詐欺師ですがちょっと抜けた感じで、
親しみすら感じます。
率いる2人のアラブ系付き人の、
おどけた小手先の演出もいい味をだしていて楽しめました。
2019年6月29日 日生オペラ2019「愛の妙薬」
G.ドニゼッティ作曲
指揮:山下一史
演出:粟國淳
【キャスト】
アディーナ : 伊藤晴
ネモリーノ : 中井亮一
ドゥルカマーラ : 久保田真澄
ベルコーレ : 須藤慎吾
ジャンネッタ : 石岡幸恵
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱 : 藤原歌劇団合唱部
【スタッフ】
美術 : 川口直次
衣裳 : パスクワーレ・グロッシ
照明 : 奥畑康夫
舞台監督 : 大澤裕
振付 : 伊藤範子
合唱指揮 : 須藤桂司
副指揮 : 安部克彦
演出助手 : 橋詰陽子
総監督:折江忠道
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