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神奈川県民ホール オペラ「トゥーランドット」 [オペラぁ!]

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神奈川県民ホールの「トゥーランドット」は東京二期会との共同制作で、ダンス集団H・アールカオス率いる大島早紀子の演出。
アールカオスといえば2010年の「ファウストの劫罰」や2007年の「ダフネ」など東京二期会のオペラで独創的かつ斬新な舞踏による演出の幻想的舞台が見もので大いに期待していました。

幕開けはダンサーたちの奇形な静止体勢から始まりましたが、動かないダンスで魅せる意表をついた演出に始めから釘付けです、それ以降も得意のワイヤーを使った空中浮遊や重力を感じさせない踊りでトゥーランドットのちょっと現実離れした物語をイリュージョンの演出で盛り立ててていきます。
それにしても重力異常に年齢を感じさせない舞踏ですが「ダフネ」は2007年で13年前の舞台です、過去の記録を見るとメンバーもほぼ同じようでチラシの写真も同じよう、歳をとらないダンス集団のようです。

装置も鈍く光る金属質の書割のところどころからコーラスが顔を出し立体的に舞台を演出、装置は抽象的で中国趣味は衣装で表現しています。

歌手ではとにかく王子カラフ役の福井敬によるテノールの声量が圧倒的、2600人程も収容する台ホールの壁にヒビが入るのでは、と思うぐらいの迫力で厚いコーラスをも突き抜ける勢いです。対するトゥーランドット役のソプラノ田崎尚美も大柄で迫力があります。
プッチーニが想い入れたというリュー役はコロナの渡航制限で来日出来なくなった大村博美に代わってソプラノ木下美穂子、ひそかに王子カラフを慕うけなげな下女を繊細に歌いました。

指揮者もコロナの影響でアルベルト・ヴェロネージから佐藤正浩に交代、演奏の神奈川フィルハーモニー管弦楽団はマスク着用していましたが、舞台が舞踏で盛り上がるにつれ指揮者も力が入ってくるのか、オーケストラも徐々に熱を帯びて来ているようで幕切れのカタルシスがあったように感じました。

2010年東京二期会「ファウストの劫罰」の公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.ss-blog.jp/2010-07-17
2006年東京二期会「ダフネ」の公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.ss-blog.jp/2007-02-13

2020年10月17日 神奈川県民ホール オペラ「トゥーランドット」


指揮:佐藤正浩
演出・振付:大島早紀子

装置デザイン:二村周作
衣裳デザイン:朝月真次郎
照明デザイン:沢田祐二
合唱指揮:佐藤宏
振付助手:白河直子
演出助手:菊池裕美子/根岸幸
舞台監督:八木清市


配役
トゥーランドット姫:田崎尚美
皇帝アルトゥム:牧川修一
ティムール:ジョン ハオ
王子カラフ:福井敬
リュー:木下美穂子
大臣ピン:萩原潤
大臣パン:児玉和弘
大臣ポン:菅野敦
役人:小林啓倫

メインダンサー:白河直子
ダンサー:斉木香里、木戸紫乃、野村真弓、坂井美乃里

ダンス:H・アール・カオス
合唱:二期会合唱団
児童合唱:赤い靴ジュニアコーラス
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

タグ:プッチーニ
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