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新国立劇場 オペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

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新国立劇場のオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は2005年以来16年ぶりの公演で新制作、東京文化会館とザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場の国際共同制作で昨年上演予定がコロナの影響で延期になり、東京文化会館公演は関係者に感染者で出て中止に、今回ようやく上演にこぎつけました。

演出はドイツの舞台監督イェンス=ダニエル・ヘルツォーク、初めて聞く名前であまり期待していませんでしたが、なかなか凝った演出で6時間に及ぶ長丁場をうねりのある展開で聴衆を引き付けました。

まずは幕開け、劇中劇の設定で真紅の緞帳と手前に折り畳み式の客席、コロナ対応で登場人物は距離を置き、スタッフは除菌スプレーで客席を清掃したりしています。

第1幕では舞台に大きな転回はありませんが第2幕が始まるとすぐに劇中劇舞台が回転し劇場事務所らしき部屋が現れ、更に回転すると第1幕の舞台を奥舞台から眺める角度になってびっくり。それからもっと回ると今度は靴職人の作業場となり、舞台からの出入りも出来たりロフトへ上がれたり、途切れのないワーグナーの音楽に合わせて舞台演出も途切れる事がありません。

凝りに凝った楽しい舞台ですが、共同制作の舞台装置をドレスデンの劇場に合わせたためか、上階の客席からは舞台の奥やロフトなどが見切れてしまっていたのが残念です、観るなら1階席で!

大野和士が指揮する東京都交響楽団は序曲から大迫力の演奏で、金管などは鳴らしすぎでは?と思うほどでしたが、弦楽やピアニッシモなどゆったり間をもった演奏はしっとりと響きました。

歌手では新国立劇場には何度も登場していますがザックス役のバス、トーマス・ヨハネス・マイヤーが歌・声・演技共に断トツの存在感、エーファの父ポーグナー役のギド・イェンティンスも落ち着いた名脇役。

エーファ役はソプラノの林正子、歌合戦の勝者の賞品に嫁として贈られるというとんでもない時代錯誤のストーリーですが、最後は肖像画を破ってヴァルターの手を取って退場するという演出で、今時の毅然とした自己主張のある女性を演技と歌で主張していました。


2005年の公演情報はこちら↓
https://turlinco.blog.ss-blog.jp/2005-09-26

2021年11月18日 新国立劇場 オペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
Die Meistersinger von Nürnberg Music by Richard WAGNER
東京文化会館、ザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場の国際共同制作


スタッフ
【指 揮】大野和士
【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク(Jens-Daniel HERZOG)
【美 術】マティス・ナイトハルト(Mathis NEIDHARDT)
【衣 裳】シビル・ゲデケ(Sibylle GÄDEKE)
【照 明】ファビオ・アントーチ(Fabio ANTOCI)
【振 付】ラムセス・ジグル(Ramses SIGL)
【演出補】ハイコ・ヘンチェル(Heiko HENTSCHEL)
【舞台監督】髙橋尚史


キャスト
【ハンス・ザックス】トーマス・ヨハネス・マイヤー(Thomas Johannes MAYER)
【ファイト・ポーグナー】ギド・イェンティンス(Guido JENTJENS)
【クンツ・フォーゲルゲザング】村上公太
【コンラート・ナハティガル】与那城 敬
【ジクストゥス・ベックメッサー】アドリアン・エレート(Adrian ERÖD)
【フリッツ・コートナー】青山 貴
【バルタザール・ツォルン】秋谷直之
【ウルリヒ・アイスリンガー】鈴木 准
【アウグスティン・モーザー】菅野 敦
【ヘルマン・オルテル】大沼 徹
【ハンス・シュヴァルツ】長谷川 顯
【ハンス・フォルツ】妻屋秀和
【ヴァルター・フォン・シュトルツィング】シュテファン・フィンケ(Stefan VINKE)
【ダーヴィット】伊藤達人
【エーファ】林 正子
【マグダレーネ】山下牧子
【夜警】志村文彦


【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団、二期会合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団
【協力】日本ワーグナー協会

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