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東京二期会 オペラ「ルル」 [オペラぁ!]

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東京二期会の「ルル」公演は昨年上演予定がコロナの影響で1年延期になり、ようやくの上演。しかもいまだ緊急事態宣言中の東京でかなり密な客席、上演機会の少ない退廃的なオペラに自粛の日々が続き欲求不満を抱えた人たちがゾロゾロと集結したようでした。

今回の演出はカロリーネ・グルーバー。ルルを女性の象徴として描いているようで、赤いタイツにサテン地の下着姿のルルと同じ装いのダンサーが舞いマネキンが配されて、登場する男性たちから欲望の眼差しを向けられています。装置もシンプルで道具もテーブルや椅子に布を被せた簡素なものでしたが、ミステリアスな世界を描けているのかちょっと疑問でした。

また幕開けはストーリーの展開が早すぎて内容についけませんでした。いきなり登場したおじさんがルルの亭主で浮気現場に出くわしただけで心臓発作で死んじゃいました。って言れても「はぁ?」でしたが、十二音技法の中に調性を織り込まれたベルクの音楽は斬新で不可思議な感じですが自然に体に入ってきます。

ルルを歌ったのはソプラノの森谷真理。紗の掛かったような歌声で絶叫にならず、立ち振る舞いを堂々としていて体形もダンサーに劣らず、まわりの男たちを虜にする主人公をを演じました。

男声では力業士のバリトン北川辰彦が良かった、役だけでなく自分の個性を出す事も大事だと思う。


2021年8月31日 東京二期会 オペラ「ルル」


台本・作曲:アルバン・ベルク
会場: 新宿文化センター 大ホール


スタッフ
指揮: マキシム・パスカル
演出: カロリーネ・グルーバー
装置: ロイ・スパーン
衣裳: メヒトヒルト・ザイペル
照明: 喜多村 貴
映像: 上田大樹
振付: 中村 蓉
演出助手:太田麻衣子 
舞台監督:村田健輔
公演監督:佐々木典子


キャスト
ルル: 森谷真理
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:増田弥生
劇場の衣裳係、ギムナジウムの学生:郷家暁子
医事顧問:加賀清孝
画家:高野二郎
シェーン博士:加耒徹
アルヴァ:前川健生
シゴルヒ:山下浩司
猛獣使い、力業師:北川辰彦
公爵、従僕:高田正人
劇場支配人:畠山茂
ソロダンサー:中村蓉


管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

タグ:ベルク
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