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東京二期会 オペラ「魔笛」 [オペラぁ!]

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東京二期会の「魔笛」は宮本亞門の演出で2015年のプロダクションの再演。

舞台上の大きなキューブ状の3面にプロジェクションマップを利用した動く書割で、ストーリーを分かりやすくテンポよく進行させていきます。序曲と幕切れに現代家庭の無言劇で「家族愛」をテーマにした演出家の意図を提示した舞台で古典オペラを現代舞台芸術に昇華させています。演出については前回2015年の公演レビューで書きました。

今回新たに注目したのはその衣装です。奇想天外でエキゾチック、こんなの見た事ないようで見ごたえ十分、芸術的レベルも相当高く感じました。上の写真はザラストロ配下の高層ですが、アメフトのユニフォームから着想を得たような衣装に脳みそ柄のヘルメット、でも何だか威厳があって高尚。デザイナーな太田雅公、過去にも多く東京二期会の衣装デザインをしていますが、ここまで独創的なのは見た事がありません。

歌手ではパミーナ役を歌った嘉目真木子、今個人的に大注目のソプラノです。高音が艶やかで中低音もしっかりしていて、演技もなかなかなもの。ナミーノに手を引かれて映像の火や水をくぐり抜けるシーンも、しっかり怖がりもしっかり突き進んでいました。

指揮者はリオネル・ブランギエからコロナの関係でギエドレ・シュレキーテに代わりましたが、タイトでキレのある指揮さばきで緊張感を切らさず古典音楽を現代に蘇らせました。


2015年の東京二期会「魔笛」公演のレビューはこちら↓
https://turlinco.blog.ss-blog.jp/2015-07-17

2021年9月8日 東京二期会 オペラ「魔笛」
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
会場: 東京文化会館 大ホール
スタッフ
指揮: ギエドレ・シュレキーテ(Giedrė ŠLEKYTĖ)
演出: 宮本亞門
装置: ボリス・クドルチカ(Boris KUDLIČKA)
衣裳: 太田雅公
照明: マーク・ハインツ(Marc HEINZ)
映像: バルテック・マシス(Bartek MACIAS)
振付: 新海絵理子
合唱指揮:河原哲也
演出助手:澤田康子 島田彌六
舞台監督:飯田貴幸
公演監督:牧川修一

キャスト
ザラストロ:妻屋秀和
タミーノ:金山京介
弁者:久保和範
僧侶I: 杉浦隆大
僧侶II:栗原剛
夜の女王:安井陽子
パミーナ:嘉目真木子
侍女I: 北原瑠美
侍女II:成田伊美
侍女III :石井藍
パパゲーナ:種谷典子
パパゲーノ:萩原潤
モノスタトス:高橋淳
武士I:与儀巧
武士II:髙崎翔平

合唱:二期会合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団


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