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ミラノ・スカラ座 オペラ「オテロ」 [2005年ミラノ]

doc20091016091627_001.jpgミラノ・スカラ座の大改修期間中の、
上演目的で建設されたアルチンボルディ劇場は、
ミラノのドゥオモ広場から、
専用のシャトルバスに揺られて小一時間、
郊外の新興住宅都市にあります。

パリのバスティーユ劇場同様に、
オペラハウスと言うよりはコンサートホールのように、
だらっと席が並んだ造りで、
客席も2,500以上はありそうな大ホール。
ホワイエは大きな吹き抜けになっていて、
巨大なガラス張りの斜壁から外の広場の向こうに、
別棟のカフェテラスが見えます。

カフェテラスには、開演前の待ち合わせや幕間の息抜きに、
普段着の人や着飾った人達がごっちゃに集まり、
外の新鮮な空気に触れながら、ワイン片手にオペラ談義などに花を咲かせ、
ごった返した店内は高揚感のある喧騒に包まれ、
今日は大いに楽しもうと言った雰囲気です。

今回の「オテロ」は日本にも来日したグラハム・ヴィックのプロダクション、
チケット手配時には、リッカルド・ムーティが指揮をする予定でしたが、
4月にスカラ座の音楽監督を辞任してしまったため、
オレグ・カエターニへ変更になりました。
メジャーな演目を上演したいスカラ座の商業主義が、
ムーティの進めたい音楽と対立していた事が原因だったようですが、
特に「オテロ」は1887年のスカラ座での初演以来、
2、3年に一度は上演して来ている伝統的演目ですから、
オペラの殿堂としてのスカラ座の保守的な部分も評価されるべきだと思うのですが・・・。
本人にしてみれば19年も努めて、そろそろ引き際と考えたのかもしれませんが、
それにしても残念。

グラハム・ヴィックの造る簡素化された舞台はダイナミックながら、
やぱりホールが大きすぎるのかちょっと散漫な感じ、
席は1階12列目でしたが舞台も遠くに見えます。
しかし、さすがスカラ座合唱団厚みのあるコーラスは迫力満点、
オテロの妻デズデーモナ役のダニエラ・デッシーの繊細なソプラノとの対比も際立っていました。
舞台袖に字幕はなく、
前の席の背面に個別の字幕が付いてイタリア語と英語が選べるようになっています。
スカラ座の来日公演の時にリッカルド・ムーティが、
舞台の袖に字幕を付けるのを嫌がったと聞きましたが、
確かにこの方式なら字幕がうるさくならなくていいと思いました、
日本語があると尚いいですが・・・。

開演時の午後8時にはまだ空は明るく、
まだまだ宵の口にもならないと思っていましたが、
終演後余韻に浸りながらバスでドゥオモへ戻り、
タクシーでホテルに着いたのは午前1時頃、
さすがに疲れも手伝って、バタンキュー?でした。


2005年6月8日 ミラノ・スカラ座 オペラ「オテロ」

アルチンボルディ劇場(TEATRO DEGLI ALCIMBOLDI)
【音楽】ジュゼッペ・ヴェルディ(GIUSEPPE VERDI)
【台本】アリーゴ・ボーイト(ARRIGO BOITO)
【指揮】オレグ・カエターニ(Oleg Caetani)
【合唱指揮】ブルーノ・カゾーニ(Bruno Casoni)
【演出】グラハム・ヴィック(Graham Vick)
【衣装】フランカ・スカルチアピーノ(Franca Squarciapino)
【美術】エツィオ・フリジェリオ(Ezio Frigerio)
【照明】マシュー・リチャードソン(Matthew Richardson)

【演奏】ミラノ・スカラ座管弦楽団(L'Orchestra del Teatro alla Scala)
【合唱】ミラノ・スカラ座合唱団(Il Coro del Teatro alla Scala)

<キャスト>
【オテロ】ヴィターリ・タラシチェンコ(Vitali Taraschenko)
【ヤーゴ】アルベルト・ガザーレ(Alberto Gazale)
【カッシオ】フランチェスコ・メーリ(Francesco Meli) 
【ロデリーゴ】アントネッロ・チェロン(Antonello Ceron)
【ロドヴィーゴ】カルロ・チーニ(Carlo Cigni)
【モンターノ】チェザーレ・ラナ(Cesare Lana)
【アラルド】エルネスト・パナリエッロ(Ernesto Panariello)
【デズデーモナ】ダニエラ・デッシー(Daniela Dessi)
【エミーリア】ロッサーナ・リナルディ(Rossana Rinaldi)


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