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藤原歌劇団 オペラ 「リゴレット」 [オペラぁ!]


2007年6月3日 神奈川県民ホール オペラ 「リゴレット」

初夏の日曜日、横浜は開港150周年のプレイベントで大勢の人、
神奈川県民ホールのホワイエから見える山下公園越しの横浜港でも、
ボートのレースなどの催しでわさわさしていました。

演目の「リゴレット」はヴェルディ中期の作品ですが、
初演は1851年。
当時日本は開港前の鎖国時代、
もし今日がその日なら、
ちょんまげに袴姿で出掛けなければならないところでした。

ヴェルディの傑作といえば、
中期の「椿姫」「イル・トロヴァトーレ」「リゴレット」の3つが有名ですが、
どれがいいかと聞かれたら、
今なら迷わず「リゴレット」と答えるでしょう。

そんな緊張感の途切れない迫力のある舞台でした。

↓今回のプロダクションはフランスのトゥールーズ・キャピトール歌劇場のもの


今回の公演は、
イタリアオペラの代表的存在であるヴェルディの作品を、
指揮者、主要キャストをイタリア人が努めるというもので、
演出はオーソドックスなものながら、老練で手馴れたものではなく、
若いエネルギーに溢れる舞台になっていました。

何と言っても素晴らしかったのは、
指揮者のリッカルド・フリッツァ、
36歳にしては後ろ頭が少し寂しかったですが、
愛娘を自らの手で死に追いやってしまう父リゴレットを取り巻く、
壮絶かつ緊張感溢れる展開を、
緩急のある指揮でオーケストラを引っ張り、
最後まで観衆を舞台に釘付けにしていました。

マントヴァ公爵役のエマヌエーレ・ダグアンノは、
まだ20代との事でしたが、
女たらしの公爵がピッタリのイケメンイタリア人で、
その甘いテノールにクラクラ来た人も多かったのではないでしょうか。

また、リゴレット役のアルベルト・ガザーレのアリアでは、
一時拍手が鳴り止まないシーンもありました。

第1幕最後の怪しげな群衆など厚みのある合唱も、
緊張高まる舞台に大いに貢献していました。

海の彼方に想いを馳せた2時間程でしたが、
まだ陽が落ちない終演後は、
異国違いの中華街へと流れてしまいました。
テーブル4つほどの小さい広東料理店での食事は美味ながら客もまばら、
「うちは常連ばかりで宣伝はしないから・・・、
色紙の飾ってある店には行かない方がいいよ!」
と、ドアの外まで見送ってくれた店の女主人が印象的でした。


2007年6月3日 神奈川県民ホール
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 オペラ 「リゴレット」

指揮 : リッカルド・フリッツァ(RICCARDO FRIZZA)
演出 : ニコラ・ジョエル(NICOLAS JOEL)

リゴレット : アルベルト・ガザーレ (ALBERTO GAZALE)
マントヴァ公爵 : エマヌエーレ・ダグアンノ(EMANUELE D'AGUANNO)
ジルダ : 佐藤美枝子
スパラフチーレ : 南 完
マッダレーナ : 鳥木 弥生
モンテローネ伯爵 : 党 主税
ジョヴァンナ : 吉田 郁恵
マルッロ : 柿沼 伸美
ボルサ :: 石川 誠二
チェプラーノ伯爵 : 井上 白葉
チェプラーノ伯爵夫人 : 立川かずさ
小姓 : 山崎 知子
門番 : 青柳 明

合唱 : 藤原歌劇団合唱部
管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団


タグ:ヴェルディ
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