東京芸術劇場シアターオペラ「こうもり」

東京芸術劇場シアターオペラ「こうもり」
今年は狂言師の野村萬斎がオペラ発演出。

毎年新しい試みでオペラを新鮮な切り口で見せてくれるシアターオペラ。
萬斎の演出は「こうもり」が作曲された1870年代の日本を舞台にして、
主人公は質屋の旦那でその邸宅は畳敷きの部屋にちゃぶ台、
舞踏会の会場は鹿鳴館で背景には金屏風。
招待客は正装の絵を描いた布を持った黒子。
歌はドイツ語で台詞は日本語。
かなりの違和感を感じつつも、それも次第に慣れていきます。

台詞のところどころにジョークを入れて、
面白可笑しく進めようとする演出家の意図でしょうが、
2000席の大ホール残響時間も長く楽器はよく響きますが台詞ははっきり聞こえません。
狂言同様、小劇場での上演の方が合いそうです。

歌手はアイゼンシュタイン役をテノールの福井敬、
妻のロザリンデ役はソプラノの森谷真理、
オルロフスキー役は通常メゾソプラノですが、
今回はカウンターテナーの藤木大地が「お風呂好き～」と名乗って歌っていました。


2023年11月25日　J.シュトラウスⅡ世／喜歌劇 『こうもり』

揮：阪 哲朗
演出：野村萬斎

出演
アイゼンシュタイン：福井 敬
ロザリンデ：森谷真理
フランク：山下浩司
オルロフスキー公爵：藤木大地
アルフレード：与儀 巧
ファルケ：大西宇宙
アデーレ：幸田浩子
ブリント博士：晴 雅彦
フロッシュ：桂 米團治
イーダ：佐藤寛子

合唱：二期会合唱団
管弦楽：ザ・オペラ・バンド