昭和音楽大学 オペラ「夢遊病の娘」 [オペラぁ！]
オペラ「夢遊病の娘」は、
３４歳で若くして他界したヴィンチェンツォ・ベッリーニ、
若干３０歳の時の作品で、
１８３１年にミラノで初演されています。
ロッシーニ以降、
ヴェルディの時代を迎えるまでのイタリアで、
天才肌のオペラ職人ドニゼッティと人気を２分していましたが、
その作曲は、
憂いを含んだ美しい旋律に、
難しい歌唱技法を取り入れるなど、
独特な知的魅力に溢れています。
今回の舞台は、
昭和音楽大学ＯＢの独唱と、
学生によるコーラスおよび演奏にバレエを加えた大学オペラ。
会場のテアトロ・ジーリオ・ショウワについては前に書いたとおりですが、
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2008-08-27
まず、その舞台装置の贅沢な事に驚きました。
スイスの農村を現す山並に雪をいただく背景、
両袖には石造りの民家とリーザの宿屋、
中央を渡る木製水道橋の先では水車が音も無くゆっくり回っています。
その質感ある技巧を凝らした舞台美術は、
ディズニーランド造営の職人に造らせたかのような完成度で、
とても大学オペラのものとは思えません。
それがシーンに合わせて宿の内部や森の中などと展開していきます。
そんな至れり尽くせりの恵まれた環境に負けない実力が求められた舞台でしたが、
見せ場の多いコーラスも、
大人数にも係わらず歯切れ良くまとまっていましたし、
ホール特性もあるかもしれませんが、厚く響いていました。
難易度の高い独唱についても、多少は心もとない所もありましたが、
聴かせる所はじっくりと聴かせてくれました。
中でも、
お坊ちゃん彼氏エルヴィーノ役の望月光貴さんは、
まだ若そうでしたが、
その甘く響くテノールは素晴らしく、
あの体型ゆえに出せる声なのか？などと思案してしまいました。
それにしても、
まだ若いのに！、というか、
若さゆえ！、というか、
その達成された完成度に、エネルギーの結晶のようなものを感じ、
元気をもらえる舞台だったような気がします。
２００８年10月12日 昭和音楽大学オペラ公演
「夢遊病の娘」“La Sonnambula”
昭和音楽大学「テアトロ ジーリオ ショウワ」
作曲：ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
台本：フェリーチェ・ロマーニ
【スタッフ】
指揮：星出豊
演出：馬場紀雄
Original Direction ：Pier Francesco Maestrini
【キャスト】
Amina（アミーナ） : 小林郁絵
Elvino（エルヴィーノ） : 望月光貴
Rodolfo（ロドルフォ） : 小田桐貴樹
Lisa（リーザ） : 倉本絵里
Teresa（テレーザ） : 佐藤三穂
Alessio（アレッシオ）：上野裕之
Notaro（公証人） : 高嶋康晴
合唱 昭和音楽大学合唱団
管弦楽 昭和音楽大学管弦楽部
バレエ 昭和音楽大学バレエ団
タグ：ベッリーニ
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by UK-Japan 2008 WEBサイト運営事務局 (2008-10-14 20:14)
大学オペラも気合い入ってるんですねー
一回、覗いてみたいものです
by miku (2008-10-16 00:24)