新国立劇場 オペラ 「オテロ」 [オペラぁ！]
ヴェルディ作曲のオペラ「オテロ」、
原作はシェークスピアの戯曲「オセロー」。
1887年にミラノ・スカラ座で初演、
当時ヴェルディは73歳。
中期の名作「リゴレット」や「椿姫」から、
一皮も二皮も剥け、
ストレートなイタリアオペラに、
ワーグナー的揺らぎの音楽を散りばめた、
老ヴェルディが探り続けた音楽の頂点？
正に傑作中の傑作です。
新国立劇場の今シーズンのオープニング・プロダクションの千秋楽、
新演出を手掛けたのは、
イタリア映画祭等でも日本に紹介されている映画監督マリオ・マルトーネ。
キプロス島の港町をヴェネツィアに置き換えた舞台は、
イエローオーカーの土塗り壁に囲まれた運河と橋で構成され、
中央の建物が回転する事で、
塔状の外壁だったり、運河に面する家の窓だったり、
外とも中とも言えない住まいの寝室だったりします。
最初、ちょっと散漫な感じもしましたが、
舞台を大きく転回させる事なく、
第４幕では壁を中心にせり寄せ、照明も落して緊密感を出すなど、
全編を大きな流れで捕らえる意図を思えば納得です。
運河には実際に水が張ってあり、
波打つ水音が聞こえてきたり、
揺れる水面に当たる照明が外壁に波紋を作ったりと、
水が演出の重要なテーマになっているようです。
悪の策略家イアーゴが、
運河の底からすくった泥で外壁に十字架を描いて悪の決意を表明。
縦横無尽に巡らされた運河の影で上官オテロを操り翻弄し、
物語の鍵となるハンカチも水面を手繰って入手、
そして最後はその「策略の水」の中でオテロの命が果てます。
びしょ濡れでのカーテンコールは気の毒ですが、
水と共に記憶に残るプロダクションになりそうです。
キャストは当初、
リッカルド・フリッツァの指揮にノルマ・ファンティーニのデズデーモナ役で、
2008年の「アイーダ」と同じ組み合わせで新鮮味がないと思っていたら、
ノルマ・ファンティーニの降板でグルジア生まれのタマール・イヴェーリに変更。
オテロの貞節な妻でありながらも、あらぬ疑惑を掛けられ、
最愛の夫に命を奪われてしまう、どんな聴衆でも同情してしまう美味しい役ですが、
それを差し引いても素晴らしい舞台でした。
ちょっとミステリアスな容姿と将軍の妻たる毅然とした立ち振る舞いに、
ヴェルディの美しいアリアを歌うちょっと湿った感じの声がたまりません。
オテロ役はステファン・グールドは、
ワーグナーを得意とするヘルデンテノール。
2007年の東京のオペラの森「タンホイザー」の表題役では、
メタボ腹にラフな黒Ｔシャツで官能に溺れる画家の姿が印象的でしたが、
今回、顔は黒塗りで衣装には詰め物で靴は上げ底か？
粗野な大男に大変身、
充実した中音域でただならる迫力を感じました。
悪役イヤーゴ役はルチオ・ガッロ、
2008年新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」では表題役。
この人が出ると何時も舞台はヴェネツィア？
ちょっと知的な所が、かえって物足りない感じでした。
そして若きイタリアの指揮者リッカルド・フリッツァは、
2007年の藤原歌劇団「リゴレット」2008年の新国立劇場「アイーダ」以来で、
グイグイとオーケストラを引っ張るイタリア楽天的イメージでしたが、
今回は何故かかなりじっとり目、
しかも体調不良とかで第２幕で降板。
３幕目からは新国立劇場音楽ヘッドコーチ石坂宏に交代というハプニングも。
途中でつっかえたり？とか、あらぬ心配もしてしまいましたが、
リッカルド・フリッツァの元で合わせて来た音楽をソツなく踏襲したという感じでした。
幕間にホワイエのテラスに出ると西の空に必ず「ＣＡＳＩＯ」とネオンサインが見えます。
これまでもこれを見ると何時も「オテロ」を思い浮かべていました、
「カッシオっ～」 「イアーゴっ～」と。
2009年10月6日 新国立劇場 オペラ「オテロ」
Giuseppe Verdi:Otello
スタッフ
【指 揮】リッカルド・フリッツァ(Riccardo Frizza)
【演 出】マリオ・マルトーネ (Mario Martone)
【美 術】マルゲリータ・パッリ (Margherita Palli)
【衣 裳】ウルスラ・パーツァック (Ursula Patzak)
【照 明】川口雅弘 (Kawaguchi Masahiro)
【主 催】新国立劇場
キャスト
【オテロ】ステファン・グールド (Stephen Gould)
【デズデーモナ】タマール・イヴェーリ (Tamar Iveri)
【イアーゴ】ルチオ・ガッロ (Lucio Gallo)
【ロドヴィーコ】妻屋秀和 (Tsumaya Hidekazu)
【カッシオ】ブラゴイ･ナコスキ (Blagoj Nacoski)
【エミーリア】森山京子 (Moriyama Kyoko)
【ロデリーゴ】内山信吾 (Uchiyama Shingo)
【モンターノ】久保田真澄 (Kubota Masumi)
【合 唱】新国立劇場合唱団 (New National Theatre Chorus)
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 (Tokyo Philharmonic Orchestra)
タグ：ヴェルディ
>リッカルド・フリッツァ
指揮者が体調不良で途中で降板って、よほど具合が悪かったということですね。
>ステファン・グールド
横綱並みの体型で、フィデリオのフロレスタンでは、2年も地下牢にいて、水ぶくれか...と思いましたが、オテロは、将軍ですけど、あれで本当に戦えるのか....ですね。
イタオペは、オテロだけがレパートリーだそうですが、そのへんが、やっぱり表現力に欠けるというか、声は充分大きくても鬼気迫るものがない....物足りなさを感じました。
TBありがとうございます。こちらからもTB返しさせていただきますので、よろしくお願いします。
by keyaki (2009-10-09 00:43)
人妻だけど今までマヌコを舐められたこと無かったみたいで
オレが初めてペロペロしてあげたらかな～りハマっちゃたんだわｗｗｗ
最近は会うたびにベチョベチョに濡らしたマヌコを見せながら
「なめてー♪」とか言ってくるしｗｗｗ誰かコイツ止めてくれｗｗｗ
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by 暴走しちゃったｗｗｗ (2009-10-22 13:11)
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by ゲット！ゲット！ゲット！ (2009-10-24 21:39)
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by ゲット！ゲット！ゲット！ (2009-10-24 21:40)