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二期会 オペラ 「ダフネ」 [オペラぁ!]


2月半ばと言うのに、
春のような陽気に、休日の上野の昼間は、
ぽかぽかと暖かく、
道行く人達もポケットから手を出して、何だか楽しげです。

「ダフネ」とはギリシャ語で月桂樹、ギリシャ神話では女神の名だそうです。
香り高く、緑深い常緑の葉は古来より永遠の命を意味するのでしょうか?



牧歌的神話との事でしたが、
とても詩的深遠な脚本で、
観る人がそれぞれ想像を膨らませ、
さまざまに理解された事でしょう。

舞台は3つ4つの階段と、5つ6つの真ん中を門型にくり抜いた壁、
抽象的な装置をシーンによってうまく組み合わせた構成で、
コンテンポラリーダンスを軸にした演出です。
元々ダンスを盛り込んだ脚本だったのかどうかは分かりませんが、
神と自然をテーマに、
木々を柔らかな肢体で表現するなど、
見せて魅せるオペラに仕上がっていたと思います。

リヒャルト・シュトラウスの晩年1938年の作品で、
日本初演との事ですが、
どうしてこんなに美しい作品がこれまで上演されなかったのか不思議です。
余程難しいのでしょうか?

105分で1幕という短い内容ですが、
歌手も、釜洞さん福井さんをはじめ高いレベルで、
その凝縮された舞台は
なかなか深い味わいの作品でした。

感動的な幕切れは、
銀色の神秘的背景の中に、
月桂樹に姿を変え、
一人踊るダフネを包み込むリヒャルト・シュトラウスの音楽、
幕は下りずに静かに演奏は終わります。

そして、2000人が陶酔した余韻は、
誰かさんが叫んだ「ブラヴォー」によって、
無惨にもかき消されてしまいました。


二期会 ダフネ (DAPHNE)
2007年2月12日 東京文化会館

指揮:若杉 弘
演出:大島早紀子
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団
舞踊:H・アール・カオス

キャスト
ペナイオス:池田直樹
ゲーア:板波利加
ダフネ:釜洞祐子
ロイキッポス:樋口達哉
アポロ :福井 敬
第1の羊飼い:勝部太
第2の羊飼い :塚田裕之
第3の羊飼い:村林徹也
第4の羊飼い:斉木健詞
第1の乙女 :平井香織
第2の乙女 : 江口順子

メインダンサー 白河直子


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