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バーデン市立劇場 オペラ「椿姫」  [オペラぁ!]


2007年9月29日 バーデン市立劇場 オペラ「椿姫」 



会場となった「ミューザ川崎シンフォニーホール」は、
JR川崎駅西口に直結した場所で
2、3年前までは工場の跡地か何かでポッカリ空いた所に、
古い赤レンガの倉庫がポツンとあっただけだったと思いましたが、
今では、隣接したショッピングモールの「ラゾーナ川崎」と一緒に、
再開発されて賑わっており、
そのアプローチの階段部分にわずかに、
赤レンガの面影が再現されているにとどまっています。

そして、ここのホールはちょっと妙な造りになっています。
たまご型のホールの黄身部分がステージで、
それをぐるっと囲む白身部分が客席といった感じで、
さらにその客席はカタツムリの殻のような螺旋になっていて、
床は傾き、左右も非対称になっています。

コンサート専用ホールなのかオーケストラピットはなく、
ステージと客席の間の狭いスペースに、
30人程の小編成のオーケストラが指揮者を囲むように、
車座になって、何かたくらみ事をしているような、
求心的な一体感で聴衆を引き込んでいました。

日本で19ヶ所回るという公演ですが、
装置もここの舞台の形状に合わせて邸宅の書割が丸くセットされています。
そんなに広くない舞台ですが、20人程のコーラスもたっぷりの声量と、
装置に組み込まれた大鏡の演出で、
少人数ながら見劣りのないものになっていました。

ヴィオレッタ役のユリア・コッチーは、
高音が不安定なところもありましたが、
後半、結核に病んだ最期は、
静まり返った客席の緊張まで伝わってくるほど、
張り詰めたホールを支配していました。

そして、このストーリーの鍵を握る人物、
ヴィオレッタとアルフレードを破局に導くアルフレードの父ジェルモン役のゲオルグ・ティッヒー。
ヴェルディが美しいアリアを何曲も与えている役ですが、
いい人なのか悪い人なのか分からないこの田舎の老紳士の、
なかなか憎めない微妙な役柄を見事に演じていました。

終演後は、ラゾーナ川崎の沖縄料理のお店で、
今日のキャストやオケの人達が来ないかと、
泡盛で盛り上がりましたが、
残念ながら空騒ぎに終わってしまいました。
もう、次の公演地に向かったのでしょうか?


2007年9月29日 バーデン市立劇場 「椿姫」
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:クリスティアン・ポーラック(Christian Pollack)
演出監督:ルチア・メシュヴィッツ(Lucia Meschwitz)
ヴィオレッタ:ユリア・コッチー(Julia Koci)
アルフレード:マイケル・スパイレス(Michael Spyres)
ジェルモン:ゲオルグ・ティッヒー(Georg Tichy)

モーツァルティアーデ管弦楽団
バーデン市立劇場合唱団


タグ:ヴェルディ
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