新国立劇場 オペラ 「リゴレット」 [オペラぁ！]
アルベルト・ファッシーニ演出の「リゴレット」は、
２０００年、２００１年に次ぐ再演。
時代考証を踏まえた贅沢で芸術性の高い舞台は、
同じくルキノ・ヴィスコンティのアシスタントを務め、
新国立劇場のアイーダを演出した、
フランコ・ゼッフィレッリにも通じる、
イタリアオペラの大道と言えるでしょう。
２００１年の時も観ましたが、
ストーリーの流れと人の動きが考え尽くされた演出ながら、
舞台に入りきらないぐらいの豪華な装置が、
どんどん展開していく迫力のあるステージに、
懐かしさと共に感動を新たにしました。
今回リゴレット役を演じたのはラード・アタネッリ、
春の新国立劇場「椿姫」では運命の鍵を握るお父さんのジェルモン役を、
２００６年の東京のオペラの森「オテロ」では策略家のイアーゴ役、
腹黒い影の主役を鋭く切れのある歌声で好演。
いづれもヴェルディのオペラで癖のある役ですが、
リゴレットでは、善悪を合わせ持った背虫男の役、
胡散臭いだけど憎めない役柄を巧みに演じ、
娘をさらわれた父親の悲しみを歌うアリアでは、
空気を包み込むような憂いのあるバリトンで感情を表現、
思わず目頭が熱くなりました。
そして合唱も、
４日間公演の３日目とあってか息もピタリとあっており、
ささやくような男性コーラスが、
静かな地響きのように聴こえて来たのは圧巻でした。
さて、
最近、新国立劇場は客の入りが良くなってきたように感じます、
広報活動に力が入った結果でしょうか。
劇場ホワイエでも、粗品を餌にアンケートを収集、
聴衆の声にも大いに耳を傾けようという事のようですが、
その粗品のボールペンですが、開けてビックリ。
ペンに添えられた細い棒を引っ張ると、
中にグルグル巻きにしてあった、
今シーズンのオペララインナップが印刷された紙が出てくる趣向です。
どうやって利用するのか聞いてみたいところですが、
これからの受験シーズン、
カンニングペーパーを仕込むには打って付けのようです。
2008年10月31日 新国立劇場 オペラ リゴレット(Rigoletto)
【作 曲】ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)
【台 本】フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ
スタッフ
【指 揮】ダニエレ・カッレガーリ(Daniele Callegari)
【演 出】アルベルト・ファッシーニ(Alberto Fassini)
【美術・衣装】アレッサンドロ・チャンマルーギ(Alessandro Ciammarughi)
【照 明】磯野 睦(Isono Mutsumi)
【芸術監督】若杉 弘
キャスト
【リゴレット】ラード・アタネッリ(Lado Ataneli)
【ジルダ】アニック・マッシス(Annick Massis)
【マントヴァ公爵】シャルヴァ・ムケリア(Shalva Mukeria)
【スパラフチーレ】長谷川顯(Hasegawa Akira)
【マッダレーナ】森山京子(Hasegawa Akira)
【モンテローネ伯爵】小林由樹(Kobayashi Yoshiki)
【ジョヴァンナ】山下牧子(Yamashita Makiko)
【マルッロ】米谷毅彦(Maiya Takehiko)
【ボルサ】加茂下稔(Kamoshita Minoru)
【チェプラーノ伯爵】大澤健(Osawa Ken)
【チェプラーノ伯爵夫人】木下周子(Kinoshita Shuko)
【小姓】鈴木愛美(Suzuki Manami)
【牢番】三戸大久(Sannohe Hirohisa)
【合 唱】新国立劇場合唱団(New National Theatre Chorus)
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)
タグ：ヴェルディ
こんばんは〜
私も、粗品につられてアンケート出して来ました。
まだボールペンはそのままなんです。そんな仕掛けがあるとは...
最近は、営業努力の成果か、歴史とともに固定客がついてきたか、両方でしょうけど、客の入りが良くて、新国ファンとしては嬉しいですね。
by keyaki (2008-11-01 20:02)
憂いのあるバリトン、聴いてみたいです
by miku (2008-11-03 01:30)
つるりんこ さん、こんにちは、=（＾。＾）=
古典のあまりも有名な名作、たっぷり楽しまれ、
とても納得満足の味わえるいい演奏、舞台だったご様子！、
良かったですね！、
明快な洒脱な文、楽しませて頂いております！、＼(^｡^)/
by xml_xsl (2008-11-04 15:01)
こんにちは
＞開けてビックリ
こんなのは初めて。メモ用紙として使えれば
便利そうですけど、仕込み方はわかりませんね・・
by euridice (2008-11-05 06:57)