歌舞伎座 「吉例顔見世大歌舞伎」 [お芝居っ!]
およそ1年半ぶり、2度目の歌舞伎座でした。
歌舞伎には知識が乏しいところですが、
「世話物の通し狂言」との事で、
行ってみる事にしました。
「世話物」とは、
江戸の市井の風俗や町人社会を描いたもので、
「通し狂言」とは、歌舞伎の芝居で、
話しの筋が一貫した長編ストーリーの、
発端から結末までを通して上演する演目で、
「狂言」とは、歌舞伎においては出し物の事をいいます。
前回の公演ではいくつかの出し物が関連なく上演され短編小説を読む感じで、
一貫性がなく印象の薄いものになってしまったし、
どうせなら江戸庶民の生活に触れられる内容で、
難解でなく楽しめれば、との思いでした。
盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)は、
佃や深川など江戸の下町を舞台に、
色恋沙汰や金に絡んだ搾取の末の殺戮などを扱った、
「四谷怪談」の作者である鶴屋南北の作品で、
幽霊なども登場させつつ、喜劇性もある出し物との事でしたが、
武士社会への批判が込められた内容で、
重く暗い部分もあり、後味の悪いところもありました。
1825年の初演時には評判がよくなかったそうですが、
武士による理不尽で凄惨な女子供の殺戮がストーリーの本筋で扱われている所が、
上演機会を少なくしている理由のようです。
時蔵演じる芸者「小万」は、
首元を揺らして品をつくり、力の抜けた手首を鷹揚に漂わせ、
しどけなく着物の裾を乱して男に身を預けたりと、
男が演じるには、
あまりにも女らしい仕草に、
今時の女性のあまりにもの男らしさ?を改めて感じました。
八右衛門役の歌昇も、
はっきりした物言いと立ち回りで好演でした。
それにしてもとっつきにくいのは、
字が読めない事。
そもそも演目の盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
読めない上に意味も分かりません。
登場人物も、
薩摩源五兵衛(げんごへえ)小万(こまん)六七八右衛門(やえもん)三五郎(さんごろう)など、
読めない上に地名だか苗字だかがついて、どこからが名前だか、
公演中に呼びかける名前でやっと分かるような次第でした。
そんなこんなでしたが11時から午後4時まで、
どっぷりと異次元江戸時間を堪能しました。
先日歌舞伎座の建て替えが大々的に発表されましたが、
桃山御殿風外観と狭くも赴きあるホワイエ、
詰め込みの客席で弁当を食べる風習、
横長ステージにボーリングのレーンのような花道、
甘い香りの実演コーナーありのデパ地下風名店街など。
建物とともに独特の場景も残してもらいたいです。
歌舞伎座歌舞伎座百二十年
吉例顔見世大歌舞伎
平成20年11月8日(土)昼の部
一、通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
序 幕 佃沖新地鼻の場
深川大和町の場
二幕目 二軒茶屋の場
五人切の場
大 詰 四谷鬼横町の場
愛染院門前の場
薩摩源五兵衛 仁左衛門
芸者小万 時 蔵
六七八右衛門 歌 昇
出石宅兵衛 翫 雀
お先の伊之助 錦之助
芸者菊野 梅 枝
ごろつき勘九郎 権十郎
廻し男幸八 友右衛門
内びん虎蔵 團 蔵
富森助右衛門 東 蔵
家主弥助 左團次
僧 了心 田之助
笹野屋三五郎 菊五郎
二、玩辞楼十二曲の内 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 藤十郎
扇屋夕霧 魁 春
若い者松吉 亀 鶴
女房おきさ 秀太郎
吉田屋喜左衛門 我 當
ほんとだ、読めないですねー
歌舞伎、小さいときに連れて行ってもらったきりです
建て替え前に、行っておくべきかなー
by miku (2008-11-09 15:21)
勉強になります。
by room7 (2008-11-11 07:19)