東京二期会 オペラ「スペイン時間/子どもと魔法」 [オペラぁ!]
東京二期会のオペラ公演はラヴェル作曲の2作
「スペイン時間」は、
今年の3月に新国立劇場の研修所公演が同じ会場でありました。↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2012-03-10
時計屋の浮気妻と、取り巻きの4人の男が繰り広げる喜劇で、
時計の歯車をデフォルメした立体的な舞台は幻想的。
それとも、
夫の留守宅に何人もの男を招き入れても、
あっけらかんとしている女の家はラブホ風インテリア?
そんな舞台で取り巻きの男性4人は個性がイマイチ出しきれていない感じ。
それでも何とか、声で存在感を発揮したのは、
銀行頭取のドン・イニーゴ役を歌ったバスの佐原壮也、
地位のある役どころながら目当ての相手との会話もままならず、
うなるような低音での独白は滑稽ながらも印象的でした。
つづく「子どもと魔法」は、
パリで芸術が花開いた1920年代を代表するフランスの作家コレットが台本を書き、
1925年に初演された小品。
わがままな子どもが「優しさ」に目覚めていく過程を描いた童話で、
初演時にはバレエの振り付けをジョージ・バランシンが担当して大成功を収めたそうです。
りすやポットが着ぐるみで動き回る様子は、
ペンギンカフェのバレエのようにコミカルで楽しいものでしたが、
バレエ的要素はほとんど封印されていたのが残念です。
舞台も布1枚の背景で簡素に演出されていましたが、
取り散らかした物でいっぱいの子ども部屋で、
子どもがあばれるバージョンもみてみたかったです。
2012年5月19日 東京二期会 オペラ「スペイン時間/子どもと魔法」
「L'HEURE ESPAGNOLE」Musical comedy in one act
Libretto by Franc-Nohain
「L'ENFANT ET LES SORTILÈGES」Lyric fantasy in two parts
Libretto by Colette
Music by JOSEPH-MAURICE RAVEL
≪スペイン時間≫音楽喜劇全1幕 台本:フラン・ノアン
≪子どもと魔法≫音楽幻想劇全2部 台本:コレット
作曲:モーリス・ラヴェル
スタッフ
指揮: ジェローム・カルタンバック ( Jérôme KALTENBACH )
演出: 加藤 直
装置: 増田寿子
衣裳: 太田雅公
照明: 齋藤茂男
振付: 山田うん
演出助手: 上原真希
舞台監督: 菅原多敢弘
公演監督: 三林輝夫
公演監督補佐: 多田羅迪夫
キャスト
≪スペイン時間≫
コンセプション 経塚果林
ゴンザルヴェ 高柳 圭
トルケマダ 吉田伸昭
ラミーロ 門間信樹
ドン・イニーゴ・ゴメス 狩野賢一
≪子どもと魔法≫
子ども 澤村翔子
お母さん 遠藤千寿子
中国茶碗/とんぼ 福間章子
火 守谷由香
お姫様 湯浅桃子
夜鳴き鶯 飯生優子
安楽椅子/ふくろう 伊藤光
こうもり 辻由美子
りす 清水多恵子
牝猫 志岐かさね
雄猫/柱時計 野村光洋
肘掛椅子/木 岩田健志
ティーポット 木野千晶
小さな老人/雨蛙 新津耕平
羊飼いの少年 久利生悦子
羊飼いの娘 金澤梨恵子
管弦楽:東京交響楽団
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