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新国立劇場 オペラ「アンドレア・シェニエ」 [オペラぁ!]

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新国立劇場の「アンドレア・シェニエ」は2005年、2010年に続き3度目の公演。
2010年の公演レビューはこちら↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2010-11-19

フランス革命前後、社会の激動に翻弄される人達の愛を描いた物語、
今回は特に主役級の3人が素晴らしい。

まずは幕開け、
伯爵に仕える使用人で革命児となジェラール役のヴィットリオ・ヴィッテッリ、
力強いバリトンでこれから展開する物語への意気込みさえ感じます。

続いて伯爵令嬢で革命派に好意を抱く、
マッダレーナを歌ったソプラノのマリア・ホセ・シーリ。
昨年の「トスカ」にも同じような役どころで出ていましたが、
圧倒的な声量で存在感を示します。
幕切れでは渾身の歌唱で、カーテンコールでも息切れが納まらないようでした。

そして表題役の詩人はカルロ・ヴェントレ、
当初ずんぐり体形の詩人なんてどうかなぁと思いましたが、
大迫力のテノールですぐに引き込まれてしまいました。
その3者が何となく競い合うよな形でだんだん力が入ってきて熱を帯び、
終幕には客席とも一体になった異様な盛り上がりを感じました。
初日だったという事もあるかもしれませんが、
前回までの2回の公演ではこんな事はありませんでした。

そんな恍惚感のなかで迎える幕切れ、
総勢が床に倒れ込んだ間を、
子供たちがフランス国旗を持って駆け抜けていくフィリップアルローの演出も、
凄惨な世の中でも希望を抱く暗と明の対比が一層強調されたように感じました。

公演の後半ちょっとした地震があり客席が少しざわつきました。
舞台もオーケストラも途切れる事はありませんでしたが、
家に帰ると熊本で震度7の地震があったとの事で驚きました。

2016年4月14日 新国立劇場 オペラ「アンドレア・シェニエ」
Andrea Chénier Music by Umberto GIORDANO

スタッフ
【指揮】ヤデル・ビニャミーニ(Jader BIGNAMINI)
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー(Philippe ARLAUD)
【衣裳】アンドレア・ウーマン(Andrea UHMANN)
【照明】立田雄士【振付】上田遙
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】斉藤美穂

キャスト
【アンドレア・シェニエ】カルロ・ヴェントレ(Carlo VENTRE)
【マッダレーナ】マリア・ホセ・シーリ(Maria José SIRI)
【ジェラール】ヴィットリオ・ヴィテッリ(Vittorio VITELLI)
【ルーシェ】上江隼人
【密偵】松浦健
【コワニー伯爵夫人】森山京子
【ベルシ】清水華澄
【マデロン】竹本節子
【マテュー】大久保 眞
【フレヴィル】駒田敏章
【修道院長】加茂下稔
【フーキエ・タンヴィル】須藤慎吾
【デュマ】大森いちえい
【家令/シュミット】大久保光哉

【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【芸術監督】飯守泰次郎

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