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東京二期会 オペラ「ローエングリン」 [オペラぁ!]

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東京二期会の「ローエングリン」公演。
指揮は準・メルクルで演出は深作健太、
2015年の「ナダエの愛」公演と同じ組み合わせでした。
「ナダエの愛」公演のレビューはこちら↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03

演出の深作健太は、
映画「バトルロワイヤル」を撮った映画監督で、
オペラ演出はこれが2度目だそうです。
舞台は左右に建築工事現場で使う鋼製の足場のようなものが3段程組まれて、
ビニールのシートが掛かっています。
部分的に石垣の書割が張り付けてあるので建築物のイメージでしょうか。

幕開けは舞台中央の三角形の台に子供が座り込んでいます。
幼少期の主人公のようです。
その周りは人が踏み込めそうもない骨組みが取り囲んでいますが、
ワイヤーで吊られていて音楽に合わせて持ち上がり、
舞台の天井となり、物語が始まります。

どう見ても安普請の舞台装置で、
足場の間から姫が出て来るのもどうしたものかと思いましたが、
主人公の幼少期や青年期の黙役が舞台に出たり入ったりして、
演出の意図はあるのでしょうがなかなか音楽に集中出来ません。
また、
強烈な照明が天井に跳ね返って客席まで明るくしてしまって、
何だか白けた感じになる場面も度々ありました。
最後は、
幕開けに持ち上がった天井が下りてきて、
群衆を上から押しつぶして幕となりました。

それでも、
ローエングリンの音楽はとにかく美しい。
ワーグナー後期の朗々とした歌でなく、
メロディーを追求し、コーラスや重唱なども取り入れ、
若々しい野心の感じられる作品です。
それに、
ナダエの愛でも感じましたが、準・メルクルの指揮は、
躍動感があって音楽が生き生きとしています。
艶やかな弦楽も迫力を持って迫ってくる感じです。

歌手の主役福井敬の力強い歌声は良く響き、
姫役の林正子は、
前回ばらの騎士の元帥夫人に続き、
揺れ動く繊細な感情表現で、聴衆を引き付けました。

気が付けばあっという間の4時間でした。


2018年2月21日 東京二期会 オペラ「ローエングリン」
 
スタッフ
指揮:   準・メルクル
演出:   深作健太
装置:   松井るみ
衣裳:   前田文子
照明:   喜多村 貴
合唱指揮:   増田宏昭
演出助手:   太田麻衣子
舞台監督:   八木清市
公演監督:   大野徹也
公演監督補:   牧川修一
 
キャスト
ハインリヒ・デア・フォーグラー: 小鉄和広
ローエングリン : 福井敬
エルザ・フォン・ブラバント: 林正子
フリードリヒ・フォン・テルラムント: 大沼徹
オルトルート: 中村真紀 
王の伝令: 友清崇
4人のブラバントの貴族: 吉田連 鹿野浩史 勝村大城  清水宏樹
ローエングリン(青年時代): 丸山敦史(全日)

合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 東京都交響楽団

タグ:ワーグナー
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