ＮＨＫ「ニューイヤーオペラコンサート」 [テレビぃ！]
2010年1月3日
ＮＨＫ「ニューイヤーオペラコンサート2010」
第５３回目となる今回のテーマは、
「歌の起源、オペラを超える劇空間」だそうです。
例年になく造りこんだステージに、
案内役がオペラの歴史をたどる物語的進行で、
従来の単なる歌の競演ではない、まとまったプログラムになっていました。
ハイドンに始まり新旧イタリアオペラ、ドイツオペラを網羅し、
過不足のない、いかにもNHKらしい無難な選曲です。
曲はそれぞれの歌手の近年のレパートリーに加え、
今年上演予定の二期会「オテロ」、「ファウストの劫罰」を取り上げ、興味をひいています。
新国立劇場の「トリスタンとイゾルテ」も予定されていましたが、
藤村実穂子の欠場で曲目が変更になったようです。
中でも、ベルリオーズ作曲のフランスオペラ「ファウストの劫罰」は、
優美な曲に美しいコーラスも加わり、是非観てみたいオペラです。
その２重唱を歌ったバリトンの与那城敬は新国立劇場の５期研修生との事ですが、
若く張りのあるいい声と凄みのある目ぢからの持ち主で今後が楽しみ、
彼の歌う「オテロ」のイアーゴ役を観てみたいです。
また、カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」の合唱も取り上げられていました。
迫力のある厚いコーラスでしたが、
今年５月には新国立劇場でデヴィット・ビントレーの振り付けによる、
前衛バレエ「カルミナ・ブラーナ」の再演があります。
歌手をオーケストラピットに配した贅沢なバレエで、
シュールでスタイリッシュな迫力のある印象的な舞台です。
総じて「いいとこ取り」のプログラムですが、
鼻や尻尾だけ触って「象」を表現出来ないように、
ブツ切の映像ではなかなかオペラの醍醐味は伝えられません。
せめて、
カメラのピントぐらいきちんと合わせて貰いたいものです。
曲名
ハイドン：オラトリオ『天地創造』から
合唱「リラをとって」
パーセル：『妖精の女王』から
波多野睦美「聴け、いかにすべてのものが」
プロスキ：『アルタセルセ』から
岡本知高「わたしは揺れる船のように」
モーツァルト：『後宮からの誘拐』から
望月哲也「お前とここであわねばならぬ」
幸田浩子「あらゆる苦しみが」
合唱「近衛兵の合唱」
ベッリーニ：『ノルマ』から
大村博美「清らかな女神よ」「わたしの胸に帰れ」
ウェーバー：『魔弾の射手』から
「狩人の合唱」
松位浩「だれも気がつかないように」
ベルリオーズ：『ファウストの劫罰』から
二階谷洋右 与那城敬「地獄への騎行と悪魔たちの合唱」
プロコフィエフ：『ロメオとジュリエット』から
「バルコニーのパ・ドゥ・ドゥ」バレエ：吉田都・ロバート・テューズリー
オルフ：『カルミナ・ブラーナ』から
合唱「運命よ、世界の王妃よ」
ワーグナー ：『ローエングリン』から
緑川まり 小山由美「わたしを呼ぶのはどなた」「あの方の妻となるために」
ヴェルディ ： 『オテロ』から
福井敬 堀内康雄「清らかな思い出はかなたに」「神にかけて誓う」
ヴェルディ ： 『運命の力』から
木下美穂子「神よ、平和を与えたまえ」
プッチーニ ： 『トスカ』から
佐野成宏「たえなる調和」「星はきらめき」
リヒャルト・シュトラウス ： 『ばらの騎士』から
森麻季 林美智子 佐々木典子 三重唱「あれはほんの笑い話」「心から愛しています」
ハイドン：オラトリオ『天地創造』から
合唱「大いなるみわざは成就し」
会場 ：NHKホール
出演
■ソプラノ：大村博美・木下美穂子・幸田浩子・佐々木典子・緑川まり・森麻季
■メゾ・ソプラノ：小山由美・波多野睦美・林美智子
■ソプラニスタ：岡本知高
■テノール：佐野成宏・二階谷洋右・福井敬・望月哲也
■バリトン：堀内康雄・与那城敬
■バス：松位浩
■バレエ：吉田都・ロバート・テューズリー
■合唱：藤原歌劇団合唱部・二期会合唱団・新国立劇場合唱団
■管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団
■指揮：沼尻竜典
■案内人：寺田農
観るのを忘れてしまいました
再放送やらないかな〜
by miku (2010-01-05 22:14)