2012年NHKニューイヤーオペラコンサート [オペラぁ!]
2012年NHKニューイヤーオペラコンサートは、
例年になく大掛かりな装置に大勢のコーラスを集めた豪華な舞台。
歌手は常連の他、多少の入れ替わりがあって、
曲目も、昨年国内で上演されたものと今年上演予定の作品が中心に、
かなりメジャーな選曲で構成されていました。
オープニングはこの春に二期会が上演予定のワーグナー作曲「タンホイザー」の合唱。
ワーグナー作品のオーケストラと合唱には、特に心に響くものがありますが、
オープニングではその神秘的なイメージが上手く演出されていました。
舞台形式で上演されたのはプッチーニの「ラ・ボエーム」。
「トスカ」の「テ・デウム」もそうですが、
プッチーニ作品得意の一番盛り上がる前半最後を取り上げ、
多勢のコーラスで見応えある舞台になっていました。
歌手で目立ったのはやはりベテラン。
堀内康雄が歌った「トスカ」のスカルピアは、
若輩者には決して真似の出来ない年を重ねた極悪人、
バリトンの声に深みがあります。
メゾソプラノの藤村美穂子は昨年林美智子が歌った、
「サムソンとデリラ」の「あなたの声に心は開く」を披露。
曲の美しさもさることながら、
低音から高音まで無理なく美しく響かせました。
そして「椿姫」のヴィオレッタを歌った森麻季。
映像映えのする容姿に気品を備え、
舞台ではあまり聴けない最後の高音も余裕で達成、
ちょっとゾクッとしました。
今年は司会で夏木マリが合間合間に巧みなコメントを挟んで、
新鮮な舞台を演出していましたが、
最後の合唱では歌手と一緒になって歌ってましたよね。?
[曲目]
「タンホイザー」から「ふるさとよ、また見る野山」 ・・・合唱
「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」・・・福井敬
「トロヴァトーレ」から「見よ、恐ろしい火を」 ・・・村上敏明
「椿姫」から「ああ、そはかの人か~花から花へ」・・・森麻季・大槻孝志
「カルメン」からロマの歌“にぎやかな楽の調べ」・・・林美智子
「カルメン」から闘牛士の歌う“諸君の乾杯を喜んで受けよう」・・・成田博之
「夕鶴」から「与ひょう、あたしの大事な与ひょう」 ・・・腰越満美
「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」・・・木下美穂子
「ボエーム」から「冷たい手を」・・・望月哲也・安藤赴美子
「ボエーム」から「ムゼッタのワルツ」~第2幕フィナーレ・・・ 中嶋彰子・谷友博・平野忠彦
「パンの笛」・・・フルート:竹山愛、マラルメ作「牧神の午後」・・・朗読:夏木マリ
牧神の午後への前奏曲
「カヴァレリア・ルスティカーナ」から復活祭の合唱「主はよみがえられた」
「キャンディード」から「着飾ってきらびやかに」・・・幸田浩子
「トスカ」から「たえなる調和」・・・樋口達哉
「トスカ」から「テ・デウム」・・・堀内康雄
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から「親方たちをさげすんではならぬ」 ・・・ 妻屋秀和
「サムソンとデリラ」から「あなたの声に心は開く」・・・藤村実穂子
「キャンディード」から「メイク・アワ・ガーデン・グロウ」・・・合唱
出 演
[ソプラノ]
安藤赴美子(あんどうふみこ)
木下美穂子(きのしたみほこ)
幸田浩子(こうだひろこ)
腰越満美(こしごえまみ)
中嶋彰子(なかじまあきこ)
森麻季(もりまき)
[メゾ・ソプラノ]
清水華澄(しみずかすみ)
林美智子(はやしみちこ)
藤村実穂子(ふじむらみほこ)
[テノール]
大槻孝志(おおつきたかし)
樋口達哉(ひぐちたつや)
福井敬(ふくいけい)
村上敏明(むらかみとしあき)
望月哲也(もちづきてつや)
[バリトン]
須藤慎吾(すどうしんご)
谷友博(たにともひろ)
成田博之(なりたひろゆき)
堀内康雄(ほりうちやすお)
平野忠彦(ひらのただひこ)
[バス]
斉木健詞(さいき けんじ)
妻屋秀和(つまやひでかず)
[バレエ]
後藤晴雄、上野水香、東京バレエ団
[合唱]
新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部
[児童合唱]
NHK東京児童合唱団
[管弦楽]
東京フィルハーモニー交響楽団
[指揮]
下野竜也(しものたつや)
[司会]
夏木マリ
野村正育(のむらまさいく)アナウンサー
「第54回ニューイヤーオペラコンサート」
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