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新国立劇場 オペラ「さまよえるオランダ人」 [オペラぁ!]

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新国立劇場の「さまよえるオランダ人」は2007年の再演。
初演時のレビューはこちら↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2007-03-08

特に印象に残っているプロダクションではありませんが、
ワーグナー初期の作品で、
合唱や独唱・重唱など従来のオペラの形式をふまえた構成、
演出も常套的なものです。

今回は主役のオランダ人のエフゲニー・ニキティンと、
相手役のゼンタのジェニファー・ウィルソンが双璧。
圧倒的な声量で体格的にも大いに存在感を示しました。
力強い歌唱の他にも、第2幕の2重唱では、
ゼンタの繊細なソプラノによる愛の告白に、
オランダ人のささやくようなバリトンの独白が絡み合って、
幻想的な空気を生み出していました。

また、そんな2人に劣らないのが合唱。
力強い男声コーラスはホールを揺するほどの迫力で、
時には、床を踏み鳴らして聴衆に訴えかけます。
そして女声コーラスの美しいハーモニー、
ソリストとも絶妙に絡みます。
初日という事もあって、
力が入りすぎた感がなきにしもあらずですが、
ワーグナーで合唱が聞ける演目も少ない中、
たっぷりと聴かせてくれました。


2012年3月8日 新国立劇場 オペラ「さまよえるオランダ人」
Der fliegende Holländer
Richard Wagner : Der fliegende Holländer
スタッフ
【指 揮】トマーシュ・ネトピル(Tomas Netopil)
【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン(Matthias von Stegmann)
【美 術】堀尾幸男(Horio Yukio)
【衣 裳】ひびのこづえ(Hibino Kodue)
【照 明】磯野睦(Isono Mutsumi)

キャスト
【ダーラント】ディオゲネス・ランデス(Diogenes Randes)
【ゼンタ】ジェニファー・ウィルソン(Jennifer Wilson)
【エリック】トミスラフ・ムツェック(Tomislav Muzek)
【マリー】竹本節子(Takemoto Setsuko)
【舵 手】望月哲也(Mochizuki Tetsuya)
【オランダ人】エフゲニー・ニキティン(Evgeny Nikitin)

【合 唱】新国立劇場合唱団(New National Theatre Chorus)
【管弦楽】東京交響楽団(Tokyo Symphony Orchestra)

タグ:ワーグナー
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dezire

こんにちは。
私も「さまよえるオランダ人」を鑑賞してはましたので、興味深く読ませて頂きました。
私と違った視点でいろいろ書かれているので、大変勉強になりました。
私は、心に強く響くアリアやダイナミックな音楽、合唱を楽しんできました。

私も違った視点で、「さまよえるオランダ人」の鑑賞記を書きましたので、ぜひご覧になってください。
ブログに感想などなんでも結構ですので、コメントをいただけると感謝致します。


by dezire (2012-03-20 18:41) 

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