横浜美術館 「奈良美智」展 [アートっ!]
今や世界的ビッグネームとなった「奈良美智」
2009年の「ニューヨークの地下鉄落書き事件」ではその知名度を庶民にまで広げました。
にらみの効いた幼児顔を10年以上描き続け、
2001年以来11年ぶりに横浜美術館での展覧会。
今回の展示では、去年と今年に描かれた絵や彫刻が100点以上展示されており、
進化したその作品の制作意欲とスピードに感心しました。
美術館へのアプローチでまず目にするのが、
エントランス脇に置かれたワゴン車のスタンドバー。
横向きになった2頭身少女の上には「Sausage & Beer」の文字、
こんな楽しいスタンドがあればビールも進みそうです。
そしてエントランスホールではFRP製の巨大オブジェが出迎え!
人、人、人で混み合ったホールを涼しげに見下ろしていました。
ホールに並ぶ人の列を見て「入場制限?」と思ったら、
奈良グッズを買い求める人たちの列でした。
作家の人気と合わせて、手元に置いておきたくなる気持ちも分かります。
会場はまずまずの賑わい。
女性や若いカップルが多く「かわいぃ~!」の声が、
あちこちから聞こえて来ます。
土曜日は高校生が無料という事もあって制服姿の学生も見掛けました。
「ひょっとしたら自分もこのぐらい描けるかも!」と、
思わせる親しみも人気の原因のひとつかもしれません。
ダンボールや封筒やコピーの裏など描けそうな所ならすぐに手が伸びるようで、
引き出しの裏に描いてあるのもあって、取手が下にぶら下がっていたのが印象的でした。
1年あまりで100枚近い絵を描き飛ばすスピードも驚きでしたが、
パネルで紹介されているアクリル絵の制作過程にはびっくりしました。
下書きに絵の輪郭を描いていくのではなく、
キャンバスに淡い色を乗せていき少しずつ絵を浮き上がらせていくような手法なのです。
カラーペイントで色分けされたブースや、
屈まないと入れない入口など、構成も含めて展示には大満足でしたが、
この美術館の建物はちょっと最悪です。
丸や三角を多用した滑稽な外観やデザインに始まり、
無駄に区画された内装や陳腐な階段状展示のあるホールの吹き抜けなどなど・・・。
たしか有名建築家の設計だったと思いますが。
2012年9月1日
「奈良美智 君や 僕に ちょっと似ている」展
会場 : 横浜美術館
会期 : 2012.7.14-9.23
住所 : 〒220-0012 神奈川県横浜市みなとみらい 3-4-1 TEL045-221-0300
夏休みまっただ中にわたしも行ってきました。
by ひろ (2012-09-02 09:30)