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神奈川県民ホール オペラ「ワルキューレ」 [オペラぁ!]

7304_1 (453x640) (227x320).jpg東京二期会の共催による「ワルキューレ」公演。
5年前の2008年にも、
同じくジョエル・ローウェルスによる演出で、
飯森泰次郎の指揮で二期会公演が行われました。
当時の公演レビューはこちら↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp
それ以降、
2009年には新国立劇場で、
「ニーベルングの指環」4部作を全て上演。
キース・ウォーナーによる、
大胆で斬新な演出が強く印象に残っています。
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp

そして今回は、
ジョエル・ローウェルスも2回目という事もあってか、
とにかく分かり安さ重視の演出になっていました。

乱張りの石目模様の床が奥舞台へ向けて緩やかな勾配で傾いていて、
プロセニアムを門型に囲むように建物の外壁の書割が描かれています。
その舞台で、
目まぐるしく幕が上がったり下がったり、照明が消えて舞台転回したりと、
うるさいぐらいに状況を説明していきます。
また、下りた幕に「ジークムント」とか「ブリュンヒルデ」とか、
次のシーンで要となる登場人物の名前まで表示されます。
「ワルキューレ」は、
長大な4部作の第2話だけの部分上演という性格上、
前作や以降の展開の前振り等でいろんな名前が次々と出てくるため、
親切と言えば親切なのですが・・・。
そんな舞台を多少の違和感を感じながら見始めましたが、
5時間近い長丁場、目もだんだん慣れてくるのか、
次第にそんな舞台にも親しみさえ感じられるようになりました。

終幕でヴォータンが幼少のブリュンヒルデに語りかける回想演出は、
2008年と同じだったよう、
演出家に強い想い入れがあるのでしょうか。
そして長時間にわたる舞台の幕切れは、
ブリュンヒルデが岩山で炎に包まれるシーンは、
ワーグナーの美しい音楽で、どうやっても感動的となるのですが、
舞台中央の象徴的なトネリコの幹に身を寄せるブリュンヒルデを、
垂直に照らす赤い照明が幻想的に包み込みました。

キャストは横山恵子や小山由美等2008年の二期会公演と重なる人もいましたが、
ジークリンデ役の大村博美は粗野な男に囲われるけなげな役で、
ソプラノですが力強い低音域で芯のある役柄を表現していました。
そして、主神ヴォータン役の青山貴。
調べてみたら過去に新国立劇場の「カルメン」や「マクベス」で観ていたのですが、
全く気に留めていませんでした。
深みのあるバリトンでなかなか貫禄も出ていました。

その他8人のワルキューレによるアンサンブルも、
迫力があって聴き応え十分でした。


2013年9月14日 神奈川県民ホール オペラ「ワルキューレ」
台本・作曲:リヒャルト・ワーグナー
スタッフ
指揮:   沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)   
演出・装置:   ジョエル・ローウェルス            
衣裳:   小栗菜代子   
照明:   喜多村 貴   
音響:   小野隆浩(公益財団法人びわ湖ホール)            
舞台監督:   八木清市 
キャスト
ジークムント 福井敬
フンディング 斉木健詞
ヴォータン 青山貴
ジークリンデ 大村博美
ブリュンヒルデ 横山恵子
フリッカ 小山由美
ゲルヒルデ 田崎尚美
オルトリンデ 江口順子
ワルトラウテ 井坂 惠
シュヴェルトライテ 金子美香
ヘルムヴィーゲ 平井香織
ジークルーネ 増田弥生 
グリムゲルデ 杣友惠子 
ロスワイセ 平舘直子
  
管弦楽: 神奈川フィルハーモニー管弦楽団・日本センチュリー交響楽団

タグ:ワーグナー
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コメント 1

株投資

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 株投資 (2013-09-23 11:27) 

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