東京二期会 オペレッタ「こうもり」 [オペラぁ!]
東京二期会の「こうもり」公演は、
2013年ベルリン・コーミッシェ・オーパーのプロダクションで、
演出はミニマルな舞台を得意とするアンドレアス・ホモキ。
乱雑に家具が配されたアイゼンシュタイン邸の居間が舞台。
その後物語の舞台はオルロフスキー主催の舞踏会、監獄へと進みますが、
ホモキの演出では舞台の転回はなく、
監獄のシーンで背面の壁が奥へ倒れて床になるぐらい、
加えて、
家具などの移動も全て登場人物が動かすというのもホモキの手法ですが、
少ない動きに知的センスが凝縮されています。
特に舞踏会のシーンでは、
大勢の招待客が奥の扉を出たり入ったりした奥の大舞踏会場を思わせ、
合唱の時に合わせて扉から部屋へ絶妙なタイミングで出て来ます。
今回の上演、歌はドイツ語で台詞は日本語。
日本語の台詞では、
笑いを誘うアドリブが随所に散りばめられています。
看守のフロッシュ役は俳優のイッセイ尾形。
一人芝居で出演中のオペラ歌手をいじりまわし、
客席の照明をつ灯けたり消したり、会場を沸かせますが。
ちょっとやりすぎな感じがしないでもありませんでした。
歌手ではアイゼンシュタイン役の小森輝彦。
長らくドイツで活動していた事もあってか余裕の歌唱です。
その他で目を引いたのはアデーレ役の清野友莉。
キュートな身のこなしでオジサマ方を翻弄します。
幕切れでは、みんなで家具を元に戻し、
最初のアイゼンシュタイン邸の居間に。
衣装も元にもどりますが、
主人のアイゼンシュツタインの代わりに、
妻の浮気相手アルフレードがテーブルに足を乗せてくつろぐところで幕。
ホモキのウィットに富んだ演出です。
2017年11月24日 東京二期会 オペレッタ「こうもり」
スタッフ
指揮: 阪哲朗
演出: アンドレアス・ホモキ
舞台美術: ヴォルフガング・グスマン
照明: フランク・エヴィン
演出補: 菅尾友
合唱指揮: 佐藤宏
演出助手: 上原真希
舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 加賀清孝
キャスト
アイゼンシュタイン : 小森輝彦
ロザリンデ : 澤畑恵美
フランク : 山下浩司
オルロフスキー : 青木エマ
アルフレード : 糸賀修平
ファルケ : 宮本益光
ブリント : 大野光彦
アデーレ : 清野友香莉
イダ : 秋津緑
フロッシュ : イッセー尾形
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