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劇団四季 ミュージカル「パリのアメリカ人」 [お芝居っ!]

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劇団四季の「パリのアメリカ人」は、
2014年にパリで初演されたミュージカルで、
1952年にアカデミー賞を受賞した、
同名のジーン・ケリー主演のミュージカル映画に着想を得て制作、
ニューヨークのカーネギーホールで初演されたジョージ・ガーシュイン作曲の、
20分程度の交響曲「巴里のアメリカ人」が元になっています。

ミュージカルでは、アイ・ガット・リズムなど、
他のガーシュイン作曲の楽曲も使用され、
舞台を第二次世界大戦後のパリにして、
アメリカ退役軍人の画家、作曲家、歌手を目指すフランス人資産家の御曹司が、
お互い知らずに一人のパリの踊り子に恋をするというお話。

演出はイギリス・王立バレエ団出身というクリストファー・ウィールドン。
自身の経験を活かし登場人物は流れるようなバレエの動きを基本とし、
更にはピアノやテーブル、壁までが舞台上をスイスイと目まぐるしく移動し、
人と什器が一緒にバレエを踊っているような感じです。

背景はパリの街並みだったりセーヌの河畔だったり劇場だったり。
パリの街並みは書割の建物の前に紗幕を垂らして輪郭をCGで描いて、
街の立体感と賑わいの臨場感を演出しています。
河畔では欄干に腰掛けてのんびり釣りをしている人たちがいたり、
ちょっとした状況描写で戦後パリの自由な街の様子を描きます。
劇場のシーンでは、
舞台の奥に緞帳があって、幕が開くと奥に指揮者と客席が見えます。
前後ろ逆転の面白い演出ですが、
ロバート・カーセン演出のオペラ「トスカ」でもそんなのがあってので、
ちょっと新鮮味に欠ける印象でした。

キャストは、
主人公の画家ジェリー役が酒井大。
キレのある動きには目を見張るものがありましたが、
背が低いのでダイナミックさに物足りなさが残りました。


相手役のリズ役は石橋杏実。
ジェリーより更に背が低いのですが、
バレエの基本が出来た上で背筋の通った動きに、
愛嬌も振りまいて群衆の中でも際立って見えました。

特に良かったのはアメリカ人パトローネの岡村美南。
堂々とした身のこなしに良く通る自然な発声、
低めの歌声も安定感があり、
まわりとはちょっと違った役作りで見応えがありました。

会場は2010年に開場した1,200人程収容する神奈川芸術劇場、
音響はとても良く感じましたが、
折角生で観るのに、
録音の再生音源とマイクを使った歌を聴くのは残念、
ゴールデンウィーク明けのせいか客の入りは半分ぐらいでした。


2019年5月8日 劇団四季 ミュージカル「パリのアメリカ人」
会場:KAAT神奈川芸術劇場

スタッフ
作曲:ジョージ・ガーシュウィン
作詞:アイラ・ガーシュウィン
台本:クレイグ・ルーカス
演出・振付:クリストファー・ウィールドン
ミュージカルスコア・編曲&スーパーバイザー:ロブ・フィッシャー
装置・衣裳デザイン:ボブ・クローリー
照明デザイン:ナターシャ・カッツ
プロジェクションデザイン:59 プロダクションズ
音楽スーパーバイザー:トッド・エリソン
オーケストレーション:クリストファー・オースティン ビル・エリオット
ダンス・アレンジメント:サム・デイビス
音楽監督:ブラッド・ガードナー
アソシエート・ディレクター:ドンティー・キーン
振付アシスタント:ダスティン・レイトン
プロダクション・スーパーバイザー:リック・スタイガー
アソシエート・装置デザイナー:フランク・マッカラー
アソシエート・衣裳デザイナー:リネット・マウロ
アソシエート・照明デザイナー:サイモン・シェリフ
アソシエート・プロジェクション・デザイナー:ブラッド・ピーターソン
アジア圏独占代表:ブロードウェイ・アジア
プロデューサー:スチュアート・オーケン ヴァン・カプラン ロイ・ファーマン
エレファント・アイ・シアトリカル ピッツバーグ・シビック・ライト・オペラ シャトレ座

キャスト
ジェリー・マリガン 酒井大
リズ・ダッサン 石橋杏実
アダム・ホックバーグ 俵和也
アンリ・ボーレル 加藤 迪
マイロ・ダヴェンポート 岡村美南
マダム・ボーレル 秋本みな子
ムッシュー・ボーレル 増田守人
オルガ 大岡紋
ミスターZ 荒木啓佑

【男性アンサンブル】
吉岡慈夢
ツェザリモゼレフスキー
照沼大樹
田中勇人
皆川知宏
鈴木伶央
渡邉寿宏

【女性アンサンブル】
篠原真梨子
吉村菜奈子
森田美穂
武田恵実
関野ひとみ
藤本典子
野田彩恵子
山崎遥香
平井佑季

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