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新国立劇場 オペラ「セビリアの理髪師」 [オペラぁ!]

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新国立劇場の「セビリアの理髪師」は2016年以来4年ぶりの公演、
カラフルでポップな舞台の演出はヨーゼフ・E.ケップリンガー。
能天気な舞台に見えて、
実は緻密に計算し尽くされた知的な演出です。
回りで舞台で建物の外観と内装を見せ、
建物はドアとバルコニーを介して広場につながり、
建物内の部屋はドアと3つの階段で曖昧につながって、
ドタバタ喜劇が展開されます。
下手をすると単なる歌合戦になってしまいがちなロッシーニのオペラが、
見どころ満載の舞台に仕上がっています。

今回ヒロインのロジーナを歌ったのは、日本人で脇園彩。
元気でコケティッシュな魅力溢れる演技は海外でも受けそう、
低音の発声もしっかりしていて聴き応えもありました。

フィガロ役はフランス人のフローリアン・センペイ。
なかななのイケメンで演技派、
舌が絡まりそうなロッシーニの歌唱も楽々とこなしていました。

この「セビリアの理髪師」はボーマルシェの戯曲でフィガロ3部作の第1部、
叔父に囲われているロジーナが苦難を経て恋する相手と結ばれ、
それが実は伯爵だったというお話。
次の「フィガロの結婚」ではロジーナな伯爵夫人となっていますが、
浮気性の伯爵からは見向きもされなくなっています。
今月末には新国立劇場研修所の「フィガロの結婚」公演があるので、
続けて観るのも面白そう。

2016年も公演レビューはこちら↓
https://turlinco.blog.ss-blog.jp/2016-12-02

2020年2月11日 新国立劇場 オペラ「セビリアの理髪師」
Il Barbiere di Siviglia
Gioachino Antonio ROSSINI

スタッフ
【指揮】アントネッロ・アッレマンディ(Antonello ALLEMANDI)
【演出】ヨーゼフ・E.ケップリンガー(Josef E. KÖPPLINGER)
【美術・衣裳】ハイドルン・シュメルツァー(Heidrun SCHMELZER)
【照明】八木麻紀

キャスト
【アルマヴィーヴァ伯爵】ルネ・バルベラ(René BARBERA)
【ロジーナ】脇園彩
【バルトロ】パオロ・ボルドーニャ(Paolo BORDOGNA)
【フィガロ】フローリアン・センペイ(Florian SEMPEY)
【ドン・バジリオ】マルコ・スポッティ(Florian SEMPEY)
【ベルタ】加納悦子
【フィオレッロ】吉川健一
【隊長】木幡雅志
【アンブロージオ】古川和彦

【管弦楽】東京交響楽団
【合唱】新国立劇場合唱団

タグ:ロッシーニ
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