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シャトレ劇場 オペラ「キャンディード」 [2007年パリ]


2006年12月26日 シャトレ劇場 オペラ「キャンディード」

シャトレ劇場はルーブルにもほど近いパリのほぼ中心にあり、
様式ばった重厚な建物ですが、
市民の娯楽の場といった感じで仕事帰りの人たちや家族連れの人達が、
エントランスで待ち合わせをしたりしていました。

座席は1階の平土間と3層のバルコニー席と天井桟敷で構成されています。
チケットの座席表示は「1er BALCON」
フランス式1階と思い、2階のバルコニー席に着くとサイドながら舞台間近!
喜んでいると、老夫婦が「ここは、わしらの席じゃ。」
どうやら「1er BALCON」とはバルコニー席の中のフランス式1階、
つまり日本で言う3階の事らしい。
いそいそと階段を1階上り席をさがすと、
今度は我々の席らしき所で若いカップルがベタベタしています。
邪魔をするつもりはありませんでしたが、おもむろに「そこの席は・・・。」
すると陽気に一言二言、ひょいと後ろの席に移って、またベタベタ。
まぁ、国が違えば人も違うわけで・・・。

さて、それはともかく
レナード・バーンスタイン(Reonard Bernstein)作曲のキャンディード、
原作は18世紀フランスの哲学者ヴォルテール(Voltaile)作の同名の書。
城を追い出された主人公キャンディードが旅に出て、次々に出会う出来事によって、
当時の社会や権力、天災などを風刺した内容ですが、
20世紀半ば生活が豊かで便利になってきたアメリカの良き時代に置き換え、
舞台は大きなテレビのブラウン管という設定です。

おどけたヴォルテールがフランス語で進行役、
登場人物は英語で、
それぞれに英語とフランス語の字幕が付きます。
笑いを誘う演出に、みんなまわりをはばからずに笑います、
日本で言えば寄席のノリでしょうか。

フランスの原作をアメリカが自国のミュージカルに仕立て、
ヴォルテールがアメリカにやり返すような演出です。

ミュージカルと言えど、キャストはオペラ歌手、
キュネゴンテ役のアンナ・クリスティは小柄ながらたっぷりの歌声を聴かせてくれましたし、
キャンディード役のウィリアム・バーデンも陽気なアメリカ人を表情豊かに演じてました。

とにかく笑って楽しんで下さいという演出でしたが、
原作にない演出者の風刺が盛り込まれている所がひと癖あるところです。
このプロダクションはミラノ「スカラ座」との共同製作で、
2007年6月にはスカラ座での公演が予定されています。

今回のチケット手配は日本からFRANCEBILLETでネット予約、パリFNACで受取、
座席はCategorie3 で66ユーロでした。


↑幕間の舞台にはヴォルテールのおどけた顔に休憩の残り時間が表示されていました。

キャンディード(CANDIDE)
指揮・・・ジョン・アクセルロッド(John Axelrod)
演出・・・ロバート・カーセン(Robert Carsen)
キャンディード・・・ウィリアム・バーデン(William Burden)
クネゴンデ・・・アンナ・クリスティ(Anna Christy)
パングロス先生・・・ランベール・ウィルソン(Lambert Wilson)
老婆・・・キム・クリズウェル(Kim Criswell)
パケット・・・ジェニィ・ベーン(Jeni Bern)


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