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藤原歌劇団 オペラ「ランスへの旅」 [オペラぁ!]

金曜夜の上野は雑踏と喧騒でごった返していましたが、
公園の入口からは少し雰囲気が変わります。
ぼんやりしたした照明の中、
ケヤキの葉っぱ越しに、会場の建物が見え隠れしています。

ここは共通ロビーとホワイエ、レストランやテラスなどが、なんとなくつながっていて、
チケットを切って中へ入っても、外の様子が分かるし、
通りすがりの人にも開演前の興奮が伝わるし、
劇場と外部空間が微妙に関係しあっている所が面白いです。

45年も前の建物ですがとても凝っていて、
6角柱の形をしたホール内は、岡本太郎の絵のような厚い木の反響板や、
壁に観客が張り付いているように見えるバルコニー席など、
見どころ満載?奇妙ながら微笑ましい感じです。

今回の演目は「ランスへの旅」
実際のフランス国王の戴冠の記念上演のために作られたもので、
ランスで行われるフランス国王の戴冠式へ向かう各国名士が、保養地に集まり、
いざ行こうとすると馬が調達出来ないと言う、
その後パリでも祝賀会が催される事が分かり皆でそちらへ行こうという事に、っといったお話。
作曲は美食家で有名なロッシーニ、
デブの大食漢というイメージがあるのですが、
今日の料理人はアルベルト・ゼッダ氏(ALBERTO ZEDDA)
この凛とした老紳士は軽快かつ緻密、緩急のある指揮で、会場を魅了しつづけました。

コリンナ役の高橋薫子さんのピアニッシモも感動的でしたし、
トロンボノク男爵役の折江忠道さんも、
渋いバリトンと演技で存在感を示していました。

舞台の手前半分だけを使ったは演出はリゾートビーチ風の白いデッキとイスに無背景で、
展開もなくシンプルなものでしたが、
誰かが歩く度にデッキの床がミシミシ、
2階のベランダでプラスチックのすのこがきしんでいるようで、耳について残念でした。


2006年10月20日 藤原歌劇団 オペラ「ランスへの旅」

指揮 : アルベルト・ゼッダ(Alberto Zedda)
演出 : エミリオ・サージ(Emilio Sagi)
プロダクション : マドリッド王立劇場
会場 : 東京文化会館 


キャスト
コリンナ : 高橋薫子
メリベーア公爵夫人 : 森山京子
フォルヴィル伯爵夫人 : 佐藤美枝子
コルテーゼ夫人 : 小濱妙美
騎士ベルフィオール : 小山陽二郎
リーベンスコフ伯爵 : マキシム・ミロノフ(Maxim Mironov)
シドニー卿 : 彭康亮(Kang-Riang Peng)
ドン・プロフォンド : 久保田真澄
トロンボノク男爵 : 折江忠道
ドン・アルバロ : 牧野正人
ドン・プルデンツィオ : 柿沼伸美
ドン・ルイジーノ : 川久保博史
デリア : 小林厚子
マッダレーナ : 河野めぐみ
モデスティーナ : 向野由美子
ゼフィリーノ : 石川誠二
アントーニオ : 立花敏弘
ジェルソミーノ : 納谷善郎

管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団


タグ:ロッシーニ
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バジリン

おもしろそうな劇場ですね!一度行ってみたいです。
by バジリン (2006-10-21 19:05) 

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