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関西二期会「ナクソス島のアリアドネ」 [オペラぁ!]



舞台中央の中庭らしきスペースを囲んで、
半円形に造った邸宅のセットは、
手前に3段4段のステップが付いて高くなっていて、
何も支えていない4本の様式的円柱が、
中と外の中間領域を作り出していますが、
全体的にいかにもツクリモノっぽい感じです。

リヒャルト・シュトラウスの作品で、
「ばらの騎士」の翌年、1912年に初演されたオペラですが、
前半が邸宅内のプロローグ、
後半が劇中劇のオペラという構成で、
節々に「ばらの騎士」を思わせるフレーズが出てきます。

作曲家役の福原寿美枝さんのストレートに響くメゾソプラノは、
力の入り気味のところがかえって新鮮な緊張感を生んでいて、
若い作家の希望と苦悩がよく表現出来ているように見えました。

ツェルビネッタ役の日紫喜恵美さんは、
難しい高音をこなした上、
オペラ歌手とは思えない運動量で聴衆を引き付けていましたが、
道化たお茶目な立ち振る舞いの奥に隠された、
知性と品格をもう少しにじませて欲しいところでした。

この公演は関西二期会という事で、
全く先入観なのですが、
舞台の人達が、
どうしても宝塚劇団とお笑いの人達に重なって見えてしまったのが、
我ながら情けなくも残念でした。

36人という少人数構成のオーケストラは、
ピットがガランとしているわけでもなく、
シュトラウスの緻密な作曲を
飯守泰次郎氏はピタリと決まる指揮さばきで、
厚みのある音楽を響かせていました。
飯森氏は2月の文化会館「ワルキューレ」も指揮予定です。
また、
オーケストラのまん中にはピアノもあって、
この曲「のだめカンタービレ」でも使えそうです。

さて、今年の6月には、
同演目で東京二期会の公演があり、
東西対決となります、さて軍配は?


2008年1月25日 新国立劇場中劇場
関西二期会 オペラ「ナクソス島のアリアドネ」

【作 曲】R.シュトラウス
【台 本】H.v.ホフマンスタール

【指 揮】飯守 泰次郎
【演 出】松本 重孝
【装 置】荒田 良
【衣 裳】八重田 喜美子
【照 明】服部 基
【振 付】石井 潤
【舞台監督】菅原 多敢弘
【演出助手】豊田 千晶
【公演監督】蔵田 裕行
  
【執事】蔵田 裕行
【音楽教師】萩原 寛明
【作曲家】福原 寿美枝
【テノール歌手/バッカス】竹田 昌弘
【士官】角地 正直
【舞踏教師】北村 敏則
【かつら師】服部 英生
【下僕】木村 克哉
【ツェルビネッタ】日紫喜 恵美
【プリマドンナ/アリアドネ】畑田 弘美
【ハルレキン】大谷 圭介
【スカラムッチョ】八百川 敏幸
【トルファルディン】藤田 武士
【ブリゲルラ】馬場 清孝
【ナヤーデ】高嶋 優羽
【ドリャーデ】山田 愛子
【エコー】森原 明日香

【演奏】関西フィルハーモニー管弦楽団


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コメント 1

TaekoLovesParis

はじめまして。
ご訪問いただきありがとうございました。
この演目は見たことがないので、魅力があったのですが、歌い手さん
をどなたも存じ上げないので、足が向きませんでした。
<お笑いの人達に重なって見えてしまった>
→友達に元関西二期会にいた人がいるので、わかります。表現が
オーバーで楽しいですよね。関西と関東の芸風の違いがオペラにも
現れるんですね。
<節々に「ばらの騎士」を思わせるフレーズが出てきます。>
→お~私の好みです。
これからもよろしくお願いします。
by TaekoLovesParis (2008-01-27 13:06) 

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