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東京のオペラの森 「パルジファル」 [オペラぁ!]

PARSIFAL.jpg東京の春を告げるオペラの森
2010年からは予算削減か、
オペラ上演は演奏会形式となりました。
今年から、
毎年ワーグナーの作品をひとつづつ取り上げるそうですが、
初年はワーグナー最後のオペラ作品パルジファル。
バイロイト祝祭劇場のために作曲されたこの作品は、
舞台神聖祝典劇ともいわれ、
宗教的ながらも荘厳な音楽で、
ワーグナー音楽の集大成とも言えます。

新国立劇場の「ニーベルングの指環」の余韻からまだ抜けきれていませんが、
指環ではその音楽に身を浸し、パルジファルで身を洗われたような感じです。

会場の東京文化会館の大ホールは、
オーケストラピットも舞台と同じ高さに埋められ、
奥までずらっと並んだオーケストラはある意味壮観?
演奏が見られていい部分もあり、
ティンパニーが曲の要になっている事等がよく分かります。
第2幕の幕切れなど緊迫感があり、なかなかの見応えで、
「のだめカンタービレ」のマスミちゃんにもやって貰いたい役所です。

ですが、
オーケストラがステージに上っているため、
演奏する音がストレートに聴こえてきます。
バイロイト祝祭劇場は木質系のホールで特にピットが深く、
音が混然一体となって聴こえるそうですが、
NHK交響楽団の演奏は繊細かつ力強い醍醐味もあり、
「さすが!」と思わせるものでしたが、
その、混沌とした感じや神聖感という意味ではイマイチだったと思います。

新国立劇場でお馴染みのウルフ・シルマーの指揮で、
世界中のワーグナー歌いを集めたという歌手陣。
表題役のパルジファルや紅一点のクンドリに注目が集まりそうですが、
物語の進行役でもある老家臣のグルネマンツを歌ったペーター・ローゼは、
その朗々としたバスで圧倒的な存在感で全編を支配していました。

ワーグナーには珍しい厚いコーラスも聴き応え十分。

第1幕で美しい歌声を披露した少年少女合唱隊が、
第2幕以降客席で心地良さそうに居眠りしていたのは微笑ましい限りでした。
5時間半の長丁場、
やはりオペラは「舞台上演で観たい!」ですね。


東京・春・音楽祭   -東京のオペラの森2010-
東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.1《パルジファル》 (演奏会形式) 
Spring Festival in Tokyo    -Tokyo Opera Nomori 2010-
Tokyo-HARUSAI Wagner Series vol.1“Parsifal”

■日時
4/2(金) 17:00(16:00開場)
■会場
東京文化会館 大ホール
■出演
指揮:ウルフ・シルマー(Ulf Schirmer)
パルジファル:ブルクハルト・フリッツ(Burkhard Fritz)
クンドリ:ミヒャエラ・シュスター(Michaela Schuster )
アムフォルタス:フランツ・グルントヘーバー(Franz Grundheber)
グルネマンツ:ペーター・ローズ(Peter Rose)
クリングゾル:シム・インスン(In-sung Sim)
ティトゥレル:小鉄和広
聖杯騎士:渡邉澄晃、山下浩司
侍童:岩田真奈、小林由佳、片寄純也、加藤太朗
魔法の乙女たち:藤田美奈子、坂井田真実子、田村由貴絵、中島寿美枝、渡邊 史、吉田 静
アルトの声:富岡明子
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
児童合唱:東京少年少女合唱隊
合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニ(Roberto Gabbiani)
音楽コーチ:イェンドリック・シュプリンガー(Jendrik Springer)


タグ:ワーグナー
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