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東京二期会 オペラ「ホフマン物語」 [オペラぁ!]

HMM.JPG東京二期会の「ホフマン物語」公演。
歌姫ステラが想いを寄せる詩人ホフマンは、
彼女がオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の出演中に、
劇場隣の酒場で学生達に3つの失恋話を聞かせます。
恋多きホフマンの方が女たらしの、
ドン・ジョヴァンニだと思ってしまいますが、
女神を味方につけながらも悪魔の陰謀によって、
ことごとく恋路を邪魔されてしまっていたのです。
終演時には酔い潰れて歌姫にまでソッポを向かれてしまうという、
全く気の毒なお話なのですが、
それぞれが完結した話になっているため、
短編小説のように1幕終わるとこちらも気持ちをリセットしなければならず、
観ていて徐々に舞台に引き込まれ終幕で盛り上がるという流れになりません。
終わってみれば関連づけられたひとつの作品なのですが、
3時間を越える上演時間のなかでは何度か弛緩してしまいました。

粟國淳の演出は、
2010年のあいちトリエンナーレ・プロデュースオペラの再演との事ですが、
黒い木床がむき出しになっている新国立劇場の舞台で、
奥舞台からせり出して来る装置は大迫力、
この劇場のために構想されたようにしっくりきています。

歌手ではリンドルフ他悪魔役小森輝彦のバリトンが、
舞台を大いに引き締めていましたし、
母と同じ病で事切れてしまうアントニア役の木下美穂子の、
消え入りそうなソプラノも染み入りました。

秋には新国立劇場の「ホフマン物語」もあるので、こちらも楽しみです。


2013年7月31日 東京二期会 オペラ「ホフマン物語」
LES CONTES D'HOFFMANN
 
台本:ジュール・バルビエ、ミシェル・カレ(Jules Barbier & Michel Carre)
作曲:ジャック・オッフェンバック (JACQUES OFFENBACH )
会場:新国立劇場 オペラパレス(New National Theatre, Tokyo)

スタッフ
指揮: ミシェル・プラッソン (Michel PLASSON )
演出: 粟國淳 (AGUNI, Jun)
   
装置: 横田あつみ
衣裳: アレッサンドロ・チャンマルーギ (Alessandro CIAMMARUGHI )
照明: 笠原俊幸
演出補: 久恒秀典
   
合唱指揮: 大島義彰
音楽アシスタント: 佐藤正浩
副指揮: 松井和彦
   
舞台監督: 菅原多敢弘
公演監督: 三林輝夫 

キャスト
ホフマン : 福井 敬
ミューズ/ニクラウス : 加納悦子
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット : 小森輝彦
オランピア : 安井陽子
アントニア : 木下美穂子
ジュリエッタ : 佐々木典子
スパランツァーニ : 吉田伸昭
クレスペル : 斉木健詞
シュレーミル/ヘルマン : 門間信樹
アンドレ/フランツ : 大川信之
ルーテル : 狩野賢一
ナタナエル : 新海康仁
コシュニーユ/ピティキナッチョ : 坂本貴輝
アントニアの母の声 : 与田朝子

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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