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東京二期会 オペラ「魔笛」 [オペラぁ!]

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東京二期会の「魔笛」は、
2013年にモーツァルトの聖地オーストリアで初演されたプロダクションで、
演出はミュージカル等で評価の高い宮本亜門。
日本では過去に「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」等の演出もありましたが、
海外での演出は初めてだったそうです。
東京公演初日の客席は台風にも関わらずほぼ満席、
幕間のホワイエもいつもより活気付いているようでした。

序曲には、声なしの寸劇が挿入され、
1970年代風家庭の居間でお祖父さんが3人の子供に、
ゲームをプレゼントします。
スーツ姿で帰宅したお父さんは手にしている紙片を見ながら失意に沈み、
すったもんだの末にお母さんは、スーツケースを手に家を出てしまいまい、
お父さんがゲームの画面に吸い込まれて本編が始まるという趣向。
お父さんがタミーノ、お母さんがパミーナ、子供たちが童子になって、
「魔笛」の叡知を試す冒険に出るという趣向です。
最後にはまた居間に戻ってくるというオチまで付いていますが、
本編もゲームを意識したコンピューターグラフィックスを駆使した映像演出で、
古典オペラに新しい息吹を吹き込んで新鮮な作品に仕上がっています。

キャストもパミーナに容姿端麗な二期会のマドンナ幸田浩子、
ザラストロにはベテランの妻屋秀和を迎え聴き応えも十分。
童子役は女声のケースが多いですが、
棒きれのような細い足の3人の少年が、
初々しい演技とアンサンブルでひと際の感興を添えました。

カーテンコールもいつもにはない大きな喝采でしたが、
芝居好きの評価が特に高かったかも知れません。
秋には野田秀樹のモーツァルト演出がありますが、
演出対決の采配はいかに!


2015年7月16日 東京二期会 オペラ「魔笛」
《オーストリア・リンツ州立劇場との共同制作公演》

スタッフ
指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス (Dennis Russell DAVIES)
演出:宮本亜門
装置:ボリス・クドルチカ (Boris KUDLIČKA)
衣裳:太田雅公
照明:マルク・ハインツ (Marc HEINZ)
映像:バルテック・マシス (Bartek MACIAS )

合唱指揮:大島義彰
音楽アシスタント:森内 剛
演出助手:澤田康子 木川田直聡 
舞台監督:大仁田雅彦
公演監督:曽我榮子

キャスト
ザラストロ : 妻屋秀和
タミーノ : 鈴木准
弁者 : 加賀清孝
僧侶I: 高橋祐樹
僧侶II : 栗原 剛
夜の女王 : 森谷真理
パミーナ : 幸田浩子
侍女I :日比野 幸
侍女II :磯地美樹
侍女III : 石井 藍
パパゲーナ :九嶋香奈枝
パパゲーノ : 黒田博
モノスタトス: 高橋淳
武士I : 成田勝美
武士II : 加藤宏隆

合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 読売日本交響楽団

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