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新国立劇場 オペラ「サロメ」 [オペラぁ!]

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遊牧民の阿片窟を宮殿に仕立てたような倦怠感漂う舞台。
新国立劇場のアウグスト・エファーディング演出のサロメ公演は2011年以来5年ぶり、
おそらく6度目の公演、前回の公演レビューはこちら↓
http://turlinco.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13

リヒャルト・シュトラウスの名を世に知らしめた1時間40分の1幕物オペラ。
今回のサロメ役はフィンランドのソプラノ、カミッラ・ニールント。
2007年のばらの騎士公演で元帥夫人を歌った時は、
ベテランのちょっと黄昏た感じがまさに適役でしたが、
この生意気な小娘のサロメを演じるのにはちょっと違和感、
ただシュトラススの緩急自在な音楽に乗せた艶やかな歌声は絶品です。

そして、
古井戸に幽閉された預言者ヨハナーン役は、
ニューオリンズのグリア・グリムスレイ。
深い井戸から吠えるようなバリトンが舞台を震撼させます。
地上に上がっても長髪の怪しげな風貌で神がかり的なオーラを発し、
舞台に緊張感を与えます。

王女サロメに想いを寄せるナラボート役の望月哲也も、
サロメに袖にされる不遇な役どころながらも、
声量たっぷりで主役級に引けをとりません。

東京交響楽団を指揮したのはダン・エッティンガー。
早めのリズムを正確に刻んで、緊張の途切れない舞台でした。

皇太子の列席がありました。


2016年3月9日 新国立劇場 オペラ「サロメ」
Salome Music by Richard STRAUSS

スタッフ
【指揮】ダン・エッティンガー(Dan ETTINGER)
【演出】アウグスト・エファーディング(August EVERDING)
【美術・衣裳】ヨルク・ツィンマーマン(Jörg ZIMMERMANN)
【振付】石井清子
【再演演出】三浦安浩
【舞台監督】大澤裕

キャスト
【サロメ】カミッラ・ニールント(Camilla NYLUND)
【ヘロデ】クリスティアン・フランツ(Christian FRANZ)
【ヘロディアス】ハンナ・シュヴァルツ(Hanna SCHWARZ)
【ヨハナーン】グリア・グリムスレイ(Greer GRIMSLEY)
【ナラボート】望月哲也
【ヘロディアスの小姓】加納悦子
【5人のユダヤ人1】中嶋克彦
【5人のユダヤ人2】糸賀修平
【5人のユダヤ人3】児玉和弘
【5人のユダヤ人4】青地英幸
【5人のユダヤ人5】畠山茂
【2人のナザレ人1】北川辰彦
【2人のナザレ人2】秋谷直之
【2人の兵士1】大塚博章
【2人の兵士2】伊藤貴之
【カッパドキア人】大沼徹
【奴隷】松浦麗
【管弦楽】東京交響楽団
【芸術監督】飯守泰次郎

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