オペラ「Jr.バタフライ」 [オペラぁ!]
「Jr.バタフライ」は、
プッチーニ作曲で日本を舞台にした名作オペラ「蝶々夫人」の続編。
オペラオタクでもある作家の島田雅彦が脚本を、
三枝成彰が作曲、2004年にダニエレ・アバドの演出で初演され、
プッチーニ作曲で日本を舞台にした名作オペラ「蝶々夫人」の続編。
オペラオタクでもある作家の島田雅彦が脚本を、
三枝成彰が作曲、2004年にダニエレ・アバドの演出で初演され、
2006年にはトッレ・デル・ラーゴのプッチーニ・フェスティバルで、
こちらは島田雅彦本人の演出で上演されています。
こちらは島田雅彦本人の演出で上演されています。
あの蝶々さんが恋に破れ自決してから数十年、
ピンカートンに連れられていった幼子は、
今では神戸のアメリカ情報局で働いていて、
ナオミという恋人までいます。
時代は太平洋戦争前夜、
日本人を母に、アメリカ人を父に持つJr.バタフライは、
敵対する2つの祖国の狭間で、葛藤しながらも真実の愛を貫こうとします。
捕虜生活の後、最後は長崎への原爆投下で終戦、
被爆してしまった瀕死のナオミを抱きかかえながらも、
改めて永遠の愛を誓います。
「続編」とか「その後」譚とかはよくありますが、
この作品は歴史的事実に沿っている分説得力があり、
また、戦争と最後に長崎の原爆という、
閉塞感のあるやるせない内容にとどめを刺す暴力にはリアリティがあります。
撃った撃たれた、死んだ生きてた、だったら芝居の醍醐味ですが、
今回も「ナオミ、死んじゃうの?」
プッッチーニのラ・ボエームのミミのように大音楽の中、事切れて幕?
と思ったところ、
被爆はしたけど死んではいない、
ピンカートンに連れられていった幼子は、
今では神戸のアメリカ情報局で働いていて、
ナオミという恋人までいます。
時代は太平洋戦争前夜、
日本人を母に、アメリカ人を父に持つJr.バタフライは、
敵対する2つの祖国の狭間で、葛藤しながらも真実の愛を貫こうとします。
捕虜生活の後、最後は長崎への原爆投下で終戦、
被爆してしまった瀕死のナオミを抱きかかえながらも、
改めて永遠の愛を誓います。
「続編」とか「その後」譚とかはよくありますが、
この作品は歴史的事実に沿っている分説得力があり、
また、戦争と最後に長崎の原爆という、
閉塞感のあるやるせない内容にとどめを刺す暴力にはリアリティがあります。
撃った撃たれた、死んだ生きてた、だったら芝居の醍醐味ですが、
今回も「ナオミ、死んじゃうの?」
プッッチーニのラ・ボエームのミミのように大音楽の中、事切れて幕?
と思ったところ、
被爆はしたけど死んではいない、
死ななくて良かったのか、ひと思いに死んだ方が良かったのか?
原爆の悲惨さに言葉もありませんでした。
最後は総勢の男声合唱で、
原爆の悲惨さに言葉もありませんでした。
最後は総勢の男声合唱で、
「永遠に続く災厄などない。死者は悲しみの向こうで待っている。」
と前向きに生きようと歌いますが、
晴れやかさはなく、
ぐっと抑えつけられたような重たい後味を残します。
三枝成彰の音楽は時流に乗った今時の音楽といった印象で、
蝶々夫人のメロディーやアメリカの国家を挟み、
エレクトーンを加えたオーケストラで、
テレビドラマを見ているように自然な感じで舞台に寄り添っています。
イタリア在住という三ツ橋敬子の指揮は、
と前向きに生きようと歌いますが、
晴れやかさはなく、
ぐっと抑えつけられたような重たい後味を残します。
三枝成彰の音楽は時流に乗った今時の音楽といった印象で、
蝶々夫人のメロディーやアメリカの国家を挟み、
エレクトーンを加えたオーケストラで、
テレビドラマを見ているように自然な感じで舞台に寄り添っています。
イタリア在住という三ツ橋敬子の指揮は、
小さな体から延びる2本の腕を大きく揺るがせながら、
抑揚のある音楽を引き出していました。
歌手もほぼイタリア人との事でしたが、
詩人ヴェイオ・トルチリアーニの世の中に訴えかけるような、
朗読風の歌声が大迫力、舞台を大いに盛り上げていました。
演出は、白い床壁に映す映像を駆使したものでしたが、
せっかくの生演奏、生歌なのですから、
こちらもアナログだと良かったですね。
2016年1月27日 オペラ「Jr.バタフライ」
抑揚のある音楽を引き出していました。
歌手もほぼイタリア人との事でしたが、
詩人ヴェイオ・トルチリアーニの世の中に訴えかけるような、
朗読風の歌声が大迫力、舞台を大いに盛り上げていました。
演出は、白い床壁に映す映像を駆使したものでしたが、
せっかくの生演奏、生歌なのですから、
こちらもアナログだと良かったですね。
2016年1月27日 オペラ「Jr.バタフライ」
作曲:三枝成彰
台本:島田雅彦
演出:布施実
指揮:三ツ橋敬子
会場:オーチャードホール
出演
Jr.バタフライ(テノール):ジャン・ルカ・パゾリーニ(Gian Luca Pasolini)
ナオミ(ソプラノ):ロッサーナ・カルディア(Rossana Cardia)
スズキ(メゾ・ソプラノ):桜井万祐子(Mayuko Sakurai)
野田少佐(ナオミの兄、バリトン):エウゲネ・ヴィッァヌエーヴァ(Eugene Villanueva)
詩人(バリトン):ヴェイオ・トルチリアーニ(Vejo Torcigliani)
尼僧(ソプラノ):ヴァレンティーナ・ボイ(Valentina Boi)
マッカラム、レバイン(二役、バリトン):ヴィンチェンツォ・セッラ(Antonio Vincenzo Serra)
バートン、憲兵、職人(三役、バリトン):ペドロ・カッリーロ(Pedro Carrillo)
合唱:六本木男声合唱団倶楽部有志、富山県オペラ協会合唱団有志
エレクトーン:清水のりこ
管弦楽:シアターオーケストラトーキョー
イタリア語歌詞翻訳:Ermannno Arienti
イタリア語歌詞譜面監修、コレペティトゥーア:森島英子
照明:辻井太郎
プロダクションマネージャー:小栗哲家
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